「10分で球速10キロアップ」「イップスを1時間で改善」...SNSやYouTubeに躍る華美な謳い文句は本当か? (5ページ目)
前回の連載で紹介した亜細亜大学の左腕投手・松本晴が、球速アップした直後にヒジの靭帯を痛めてトミー・ジョン手術に至ったのはまさにこうした話だろう。選手は成長に対して貪欲になるからこそ、外部が冷静に見てあげることも大切になる。
「故障しないように、ある程度のバッファ、伸びしろを残した状態でやらないとダメだと思っています。それと、試合での負荷をいきなりかけていくのはよくないですね」
北川はトレーナーとして本格的に活動し始めた12、3年前、速い球や強い球を投げられるようにしてあげることが投手指導で大切だと考えていた。そうすればスカウトの目に留まり、上の世界に行けるからだ。
だが中学時代に才能あふれるあまり、高校時代に故障して投手人生を棒に振る者たちを見てきた。そうして模索するようになったことがある。はたしてどのタイミングで負荷をかけるのがいいのかという、見極めだ。
一部敬称略
第14回につづく
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