「歴代最高の1番打者」を高木豊が選出。世界の盗塁王、もうひとりの「バケモノ」のすごさを語った
高木豊が語る「1番打者」
歴代最高の打者編
(パ・リーグ編:西川や三森の強み、バットコントロール抜群の若手とは?>>)
14年間の現役生活で、1番打者として多くの試合に出場した高木豊氏。理想的な1番打者とはどんな選手なのか。その条件などを聞きつつ、歴代最高の1番打者だと思う選手を挙げてもらった。
1065盗塁の日本記録を保持する、阪急でプレーした福本豊この記事に関連する写真を見る***
――高木さんの考えとして、1番打者は固定するべきだと思いますか?
高木豊(以下:高木) 固定するべきです。固定できる1番打者がいないチームは、魅力的なチームにはならないと思います。昨年に日本一になったヤクルトも、今季にチーム事情で塩見泰隆が1番から外れ、5番を打っている時はそこまでチームとして怖くありませんでした。
2番打者は日替わりでも構いません。"2番最強論"とか、"つなぎの2番"とかいろいろ言われる打順ですけど、そこは好きにやればいい。ただ、1番は決まった選手が牽引者になるべきで、打線を引っ張っていく役割が求められます。
――打線のなかで、1番打者の役割は特に重要?
高木 そうですね。昔の話になりますが、巨人のV9時代には、スイッチヒッターの柴田勲さんが500盗塁以上を記録するなど1番に君臨していました。その巨人のV9を止めるために、阪急が必死になって戦いを挑んでいた。その阪急には、1000個以上の盗塁を記録した福本豊さんという強烈な1番がいたわけです。
打線の"王様"が4番なら、1番は"顔"。歴代の強いチームの1番打者は、すぐに顔と名前が出てきますよね。例えば、1990年代に強かったヤクルトをけん引したのは飯田哲也。昨年は塩見が、パ・リーグを優勝したオリックスでは福田周平がその役割を担った。そのように、パッと出てくるじゃないですか。
――もっとも1番打者に求められる能力は何ですか?
高木 やはり出塁率です。4割弱あれば理想的です。1番はそれがすべてだと思います。
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