日本ハム・松本剛、プロ11年目の「遅咲き首位打者」は実現するか。田中幸雄が好調の理由を分析 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

■首位打者
2004年 嶋重宣(広島)プロ10年目
2015年 川端慎吾(ヤクルト)プロ10年目
2016年 坂本勇人(巨人)プロ10年目

■本塁打王
なし

■打点王
2015年 畠山和洋(ヤクルト)プロ15年目

 坂本はプロ6年目に「最多安打」のタイトルを獲得しており、川端や畠山もタイトル獲得前からレギュラーとして活躍していたことを考えると、いきなりのタイトル奪取は嶋ひとりだ。

 嶋は投手として入団するも5年間でわずか2試合の登板に終わり、5年目から野手転向して10年目に大ブレイクを果たした。

 過去を遡ると、1976年にプロ9年目の吉岡悟(太平洋クラブ)が打率.309で首位打者に。吉岡は富山商から67年ドラフト10位でロッテに入団し、75年に太平洋クラブにトレード。移籍2年目の76年に初の規定打席到達でタイトルを獲得した。この年は打撃2位が藤原満(南海)で打率.302と、3割打者が4人だけという、奇しくも今年と同じ「投高打低」だった。

きっかけは新庄監督就任⁉︎

 日本ハムで通算2000本安打を達成し、2010年から17年まで日本ハムの二軍打撃コーチ、二軍監督を歴任した田中幸雄氏に、松本の好調の理由について聞いてみた。

── 二軍監督時代に松本選手をよく見ていたと思いますが、打者としてどのようなタイプなのか教えてください。

「ものすごく真面目で、野球に取り組む姿勢はほかの選手の見本となっていた。打者としてのタイプは、本塁打は1ケタで、中距離ヒッターでもなく、単打を積み重ねていくスタイルの選手です。清宮幸太郎や万波中正といった長距離砲がいるので、今シーズンは自分が生き残るためのスタイルをあらためて認識したのだと思います」

── 打順は何番がいいと思いますか。

「今シーズンの日本ハムは、選手の状態や相手投手との相性などを見ながら決めていると思うのだが、松本に限らず選手はいろんな打順を打っている。松本については、4番を任されたこともあるが、盗塁が多く、積極性がいい方向に出るのなら、1番が合っているのかもしれないですね」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る