佐々木朗希もすごいが、山本由伸は「パーフェクト」。名スコアラーが考えた攻略の糸口 (3ページ目)
――現在、元木さんは巨人のヘッド兼オフェンスチーフコーチを務めていますが、現役時代にはデータとどう向き合っていましたか?
「元木がスタメンで出た時には、だいたい『真っ直ぐと変化球のどちらを狙えばいいか、サインを出してほしい』と言われました。彼は癖やデータを活用することが大好きだったので、いろいろなことを聞いてきて大変でしたよ(笑)。でも、選手時代から野球に対する"賢さ"を備えていたので、それが現在のコーチとしての活躍に繋がっているのだと思います」
――今年の巨人は、守護神の大勢投手をはじめとする若手選手の活躍が目立ちますね。
「大勢投手はいいボールを投げていますね。シーズンは始まったばかりなので、これからプロの厳しさを感じたり、洗礼を浴びたりするような場面も出てくるかもしれませんけどね。ここまでは、エース級の活躍をしています」
―― 一方で、アダム・ウォーカー選手やグレゴリー・ポランコ選手といった新外国人選手も活躍しています。三井さんはかつて、編成の仕事をしているときに外国人選手の獲得にも携わっていましたが、活躍できる選手をどのように見極めていましたか?
「日本が好きだった(スコット・)マシソンや、明るい性格の(ホセ・)ロペスのように、"チームに馴染めそうか"という点は大きな判断材料のひとつです。投手の場合には、"ボールの出所の見にくさ"も注視します。現在セントルイス・カージナルスで活躍するマイルズ・マイコラスは、『ピッチングフォームが独特で、打ちにくそうだな』と思って巨人に来てもらいましたが、目論見通りの見事な活躍を見せてくれました」
――昨今は、変化球の球種が増える一方、分析方法も発達してきました。スコアラーの活動にはどのような影響がありますか?
「肉眼で見ただけでは判別しにくい球種もありますが、最近では『トラックマン』など球速や回転数、回転軸などが測定できる機械が出てきました。ストレートの回転や、変化球の曲がり方が正確にわかるようになったことで、狙う球種、作戦は立てやすくなったのではないでしょうか。投手が多彩な変化球を投じたとしても、ボールの軌道がわかれば対処できますからね」
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