ロッテ佐々木朗希の投球メカニズムをわかりやすく解説。佐藤義則は「ダルビッシュでもできなかったことができている」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 衝撃の完全試合から、メディアは佐々木朗希(ロッテ)の話題を取り上げ、球界の名だたるOBたちはその魅力や可能性について語る......そんな日が続いている。そこで現役時代、44歳まで阪急、オリックスでプレーし通算165勝、48セーブを挙げ、引退後は5球団でコーチを務め、ダルビッシュ有(パドレス)や田中将大(楽天)らの成長にも関わった佐藤義則氏に、令和の怪物・佐々木朗希の可能性についてたっぷり語ってもらった。

17イニング連続パーフェクト投球を続けているロッテ・佐々木朗希17イニング連続パーフェクト投球を続けているロッテ・佐々木朗希この記事に関連する写真を見る

まだ球速は上がるはず

── 佐々木投手の勢いが止まりません。

「プロで長いこといろんなピッチャーを見てきたけど、練習を積めばある程度は速くなるけど、驚くほど速くなったというのは藤川球児(元阪神)くらい。結局、速い球を投げるっていうのは、才能の部分が大きい。佐々木は常時160キロを、しかも余裕を持って投げている。そういう意味で、佐々木の才能はずば抜けている。全力で腕を振ったら、間違いなくまだスピードは出る。でも、それをやると疲れが早くくるし、体への負担も大きい。とはいえ、体が慣れてきたら、もっと腕も振れるだろうし、球速も上がってくる」

── これだけのスピードがあって、しかも190センチの長身に手足も長い。コントロールに苦労しそうな感じがあるのですが、佐々木投手はそれがありません。

「コントロールはフォームだからね。佐々木はストライクゾーンに投げられる形をしっかり持っている。まず、足を上げたところできれいに立って、このバランスがいい。そこから投げにいく時に、右足がしっかり粘れるから(踏み出す)左足が簡単に地面につかない。重心もグッーと低くなって、こうなるとボールを持つ時間が長くなるし、打者寄りの位置でボールを離すことができる。低めに強いボールを投げられるのも、この形があるから。今は重心が高いまま、手先でコントロールしているピッチャーが多いけど、佐々木は下半身をしっかり使って投げている。股関節が強く、柔らかさもあるんだろうね」

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