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ロッテ佐々木朗希の投球メカニズムをわかりやすく解説。佐藤義則は「ダルビッシュでもできなかったことができている」 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

── 40歳でノーヒット・ノーランを達成した佐藤さんも、現役時代はダイナミックに体を使ってストレートの勢いで勝負するタイプでした。

「佐々木に比べたら全然だけど......俺はもっとコントロールがアバウトで、ストレートを投げる時は、人差し指と中指を少し開けてボールを握っていた。そのほうが安定するからね。でも、佐々木は指を揃えて握っている。今はこの握りが結構多いみたいだけど、このほうがスピンは効く。俺らの現役時代で言えば、伊良部(秀輝/元ロッテなど)のストレートが速くて、迫力があった。あの時、伊良部と対戦したバッターは『手が離れた瞬間に振っていかないと当たらない』と言っていたけど、佐々木もそうなんだろうね」

── 今年の佐々木投手は、ストレートとフォークのほぼ2種類で勝負している印象です。

「この先、どうなっていくのか。この2つだと疲れもたまりやすくなって、長いイニングを投げるのもしんどくなってくるんじゃないかな。まして、これから何年もやっていくとなれば、負担が少なくストライクをとれる球を増やしていきたい。フォークはどうしても指に負担がかかるし、ヒジにも影響が出やすい。去年はもっと投げていたはずのスライダー、それにカーブをどう使っていくか」

初対戦で打つのは至難の業

── 佐々木投手の登板時は、球数も常に話題になります。

「相手チームからすれば、当然球数を投げさせようと考える。ただ、今の佐々木はひとりに対して4球も投げない計算でしょ。完全試合の時は105球。俺なんか210球で完投なんてことがあったから、完全試合で105球なんて考えられないよ」

── 力投派、とくに三振をとるタイプの投手は球数が多く、打たせてとる投手は球数が少ないと思われてきましたが、佐々木投手はこの概念もひっくり返しました。

「あれだけのボールがあるから、どんどんストライクをとりにいけるし、コントロールもある。それに真っすぐのつもりで振ったらフォークで空振り......。そのフォークも、たとえば右打者の外へ投げる時は、あえて引っかけ気味で投げたりね。一瞬、スライダーかなって思って映像を見たら、しっかり挟んでいる。腕の振りを少し変えて、ストライクをとりたい時はベースの中、空振りをとりたい時はベースの外を狙って投げている」

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