「MLBの一流選手は究極の手打ち」。大谷翔平や鈴木誠也をメジャー流の打撃理論で根鈴雄次が分析 (4ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • 撮影●小川正行 photo by Ogawa Masayuki

根鈴氏が指導の一環で使うバレルバット根鈴氏が指導の一環で使うバレルバットこの記事に関連する写真を見る――今回名前が上がった打者は左バッターが多かったですが、今季は侍JAPANの鈴木誠也選手がシカゴ・カブスでメジャー挑戦します。

根鈴 彼は非常に総合力が高いバッターで、メジャーでも活躍すると見ています。フォームや打ち方ひとつとっても、MLBでやることを想定して作ってきたのが伝わってきます。彼はとにかく身体能力が高いということも評価されたポイントでしょう。「ファイブツール」という言葉がありますが、今はMLBでも、あれだけの身体能力と技術を併せ持った選手は希少ですから。

――フォームや打ち方を作ってきたというのは、どのような部分で感じますか?

根鈴 法政大学時代の後輩で、カープの2軍打撃コーチの廣瀬純とは今でも連絡を取るんですが、廣瀬はカープを変えようとしています。そのひとつが(※)バレルバットの採用。ウチの道場でも使用していますが、彼はそういった情報も積極的に取り入れています。

(※)手元にバレル(たる)型にふくらんだ重みがあり、それを利用することで正確に、最も長打になりやすい打球角度「バレルゾーン」に打ち込むスイング軌道を身につけることができる。芯の部分が体から離れないため、スイングスピードが増し、より強い打球を打てるようになる。

 鈴木誠也選手もバレルバットを使ってトレーニングしていたと聞きます。MLBでやるには、身体能力や技術だけじゃなくて、アジャスト能力や柔軟性も求められます。鈴木選手はもともとメジャー思考が強かったと聞きますし、フォームやトレーニング方法もそのために準備してきたのでしょう。右打ちの外野手なのでハードルは低くないですが、彼ならやってくれるという期待感が大きいです。

(ラオウ杉本を覚醒させた「鬼ダウンスイング」コマ送り>>)

【プロフィール】
根鈴雄次(ねれい・ゆうじ)
1973年生まれ、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、アメリカでトライアウトを受けてルーキーリーグから3Aまで昇格。計5ヵ国でプレーし、2012年に現役を引退。独立リーグでコーチを務めた後、2014年から野球塾で若手の指導にあたる。2017年に「根鈴道場」を立ち上げた。

■アラボーイベースボール【根鈴道場】
公式HP>> 公式YouTubeチャンネル>>

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