谷繁元信のセ・リーグ順位予想。巨人と阪神はどっちが上? 連覇を狙うヤクルトの不安は? そして最下位は... (5ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
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【6位予想:広島】

 鈴木誠也が抜けた穴はかなり大きいです。オープン戦では新人の末包昇大を4番で使い続けてなんとか埋めようとしたけれど、まだ物足りない。新外国人では(ライアン・)マクブルームを獲りましたが、調整が遅れている感じです。誰かひとりでは埋められないほど大きい穴なので、何人でカバーできるかでしょう。

 今のカープは「成長期」にあります。昨年は田中広輔や松山竜平、長野久義が不調になったり、ケガやコロナにかかる選手が出たりして苦しんだなか、サードの林晃汰や外野の宇草孔基ら若い選手が次々と出てきました。ショートに定着した小園海斗を含めてゲームに対する経験値はまだ足りないですが、彼らが今年1年頑張ることができれば、チームとしての安定感はかなり出てくると思います。

 昨年リーグ2位の打率.315を残した坂倉将吾の起用法も注目されます。キャッチャーとファーストに加え、オープン戦ではサードも守りましたが、どうやって使っていくかをはっきりさせてあげたほうがいい。持ち味のバッティングで、力が出なくなるような起用法はしてほしくないですね。

 僕が監督の立場なら、キャッチャーには會澤翼を使います。4月に34歳になりますけど、まだ元気です。一方、キャッチャーとしての坂倉は年々、キャッチングもスローイングも成長しています。リードは経験をしながら常に変わっていくものなので、徐々に自分の考えを表現できるようになっていけばいいと思います。

 ピッチャー陣では、抑えの栗林良吏にどうつなぐかに不安があるなか、新人の黒原拓未、松本竜也が中継ぎに入ってくるのか。先発では昨季最多勝投手の九里亜蓮がいますが、柱となるのは大瀬良大地、森下暢仁だと思います。

 課題は4枚目以降ですが、床田寛樹、玉村昇悟、高橋昂也など、いいピッチャーはいる。いずれも調子の波があるので、悪くてもある程度投げられるようになると、先発陣はかなり充実してくると思います。

(谷繁元信氏の順位予想)
1位 巨人
2位 ヤクルト
3位 中日
4位 DeNA
5位 阪神
6位 広島

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