谷繁元信のセ・リーグ順位予想。巨人と阪神はどっちが上? 連覇を狙うヤクルトの不安は? そして最下位は... (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 上積みがあるとすれば、奥川恭伸の登板間隔を狭められること。高卒2年目の昨年は中10日で先発し、18試合で9勝4敗でした。今年はどう起用するか、高津臣吾監督の采配に注目しています。

 逆に不安なのは、勝ちパターンで投げるふたりの勤続疲労です。2020年からの2年間で清水昇は52試合→72試合、(スコット・)マクガフは50試合→66試合とかなり投げています。ふたりがどのくらいチームの勝ちにつなげられるか。そうした意味で上積みとして期待されるのが、大卒2年目の木澤尚文です。ストレートの力はある程度あるので、中継ぎで起用されると思います。

 キャッチャーでは中村悠平が下半身の張りで開幕に間に合いそうになく、代役候補が内山壮真。中学1年までショートだったので、フットワークはいいものがあります。キャッチングもそんなに悪くなく、バッティングもしぶとい。正捕手を1シーズン務めるにはまだ力不足かもしれませんが、短い期間ならこなせると思います。

【3位予想:中日】

 ドラゴンズのストロングポイントはバッテリーです。正捕手には昨年123試合に出場した木下拓哉がいて、先発陣は大野雄大、柳裕也、小笠原慎之介など駒が揃っています。

 中継ぎは又吉克樹(→ソフトバンク)がFAで抜けましたが、代わりに岩嵜翔が入ってきました。ソフトバンク時代に勝ちゲームで投げていた経験もありますし、オープン戦を見ても過去の故障の影響は全然問題ないように感じます。

 昨年まで先発だった(ヤリエル・)ロドリゲスが中継ぎに回り、岩嵜、(ライデル・)マルティネスとつなぐ新しい勝ちパターンができそうです。昨年までチームを支えてきた祖父江大輔、福敬登、藤嶋健人もいますし、ふた通りの勝ちパターンができる可能性もあります。

 課題は得点力。ですが、たとえ数は少なくても、「ここで1点取れたら」というポイントで入るようになれば十分に戦えると思います。

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