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プロ14年目、日本ハム杉谷拳士の覚悟「今年は最後のチャンスだと思って...公約はヒーローインタビュー10回」 (2ページ目)

  • 市川光治(光スタジオ)●文 text by Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)
  • photo by Hosono Shinji

── 昨シーズンでいうと栗山(英樹)監督が退任されました。杉谷さんは監督とは10年一緒にやれていました。監督と闘った10年というものを言葉にするとしたら何でしょうか?

「やっぱり"感謝"という言葉が最初に浮かんできますね。監督に初めてかけてもらった言葉が『拳士は拳士らしく常に前を向いて、真っすぐに進みなさい』でした。すごく刺さった言葉ですし、今でも忘れられません」

── 栗山監督の退任セレモニー(2021年10月26日/札幌ドーム)では言葉を交わしてました。

「はい。『拳士、長かったな。おまえとは11年だな』と言われました」

── 11年、ですか?

「そうなんです。みんなは長くて10年なんですけど......僕はまだ監督じゃなくてキャスターだった時に『報道ステーション』で特集していただき、1年間ずっと追いかけてもらったんです。ジュニアオールスターも栗山さんが取材に来てくれました。その時、まさか来年から栗山さんが監督になるなんて思ってもみなかった。だから『11年だな』って言われて、ああ覚えていてくれたんだと思って、本当にうれしかったです」

── 栗山監督を漢字一文字にすると何でしょうか?

「栗山監督を漢字一文字ですか(笑)。何ですかね、うわ〜難しいな......『愛』ですかね」

── 『愛』、きた!

「どの選手に対しても、ものすごく愛情を注いでる姿を見てましたし、もちろん僕にもたくさんの愛情を注いでくれて、野球というスポーツに向かわせてくれました。なので『愛』でお願いします」

斎藤佑樹から教わったこと

── 杉谷さんとも親交が深かった斎藤佑樹さんも、監督と同じく昨シーズン限りで引退されました。

「栗山監督と違って、佑樹さんって本当に身近な存在でしたし、なにより高校時代から鮮明に覚えています。佑樹さんが早実の3年生、僕が帝京の1年生だった2006年夏に、早実が全国制覇。あの甲子園で投げる佑樹さんの姿は今でも鮮明に覚えています。佑樹さんもファイターズに入団して、あいさつに行ったんですよ。その時に『拳士、これからもよろしくな。こうやって何かと縁があるから、仲良くしようね』と言ってくれました。やっぱり覚えていてくれましたし、そこからずっと仲良くさせていただいて。ご飯も誘ってくれましたし、いろんな野球の話もしました。辞めると聞いた時は言葉もなかったです」

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