空耳で起きた謎のスタメン、もうひとつの「ヘディング事件」など。まさか!が起きたプロ野球珍記録の数々

  • 小林 悟●取材・文 text by Kobayashi Satoru
  • photo by Kyodo News

観戦を楽しくする、野球豆知識<珍記録編>

球場で、またはテレビ画面の前で、珍しい記録が誕生する瞬間を目の当たりにするのも野球観戦の醍醐味だろう。今回は、2000本安打や最多勝などの華々しい功績からは少し外れた、誰かに話したくなる珍記録や珍エピソードを、漫画家で野球関連の著作多数のカネシゲタカシさんに教えてもらった。(文中一部敬称略)

1999年、対巨人戦で決勝本塁打を放った当時阪神の新庄剛志はお立ち台で「明日も勝つ!」と言ったが......1999年、対巨人戦で決勝本塁打を放った当時阪神の新庄剛志はお立ち台で「明日も勝つ!」と言ったが......この記事に関連する写真を見る

●槙原寛己の3連続被弾

「槙原寛己さんといえば、桑田真澄さん、斎藤雅樹さんと並ぶ1990年代の巨人の先発3本柱。1985年4月17日、バース・掛布(雅之)・岡田(彰布)のバックスクリーン3連発を打たれた投手であることはプロ野球ファン、特に阪神ファンにはよく知られた話です。でも、じつはこれだけじゃないんです。1996年6月19日の中日ドラゴンズ戦でも音(重鎮)・山﨑(武司)、大豊(泰昭)に3者連続ホームランを浴びています。プロ野球史上で3連発を2度食らったという珍記録はあとにも先にも槙原さんただひとりです」(カネシゲさん)

 投手でありながら、ホームランの記録に不思議と縁がある槙原。自身が放った一発も「珍」を冠するにふさわしい特別なものだった。

「槙原さんが現役生活を通じて打ったホームランは1本。それが、巨人軍通算5000号ホームランだったんです。相手は因縁の相手、阪神。しかも3連発を打たれたのと同じ1985年の出来事でした」

 槙原は、かつて新庄剛志に敬遠球を打たれ、サヨナラ負けを喫したこともある。阪神に弱いイメージがあるが、通算では38勝10敗10完投の阪神キラーだった。

●メモリアルアーチの天才

 メモリアルアーチといえば忘れてはいけないのが、落合博満。

「落合さんは現役通算2371安打ですが、500本、1000本、1500本、2000本と節目はすべてホームランで記録! 球界のレジェンドとしてさまざまな逸話がありますが、狙って打ったとも言われるこれらのメモリアルアーチは飛び抜けていますね」

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