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奥川恭伸、同期のライバルを語る「佐々木朗希、宮城大弥は僕を高めてくれる存在」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

── 今年の春季キャンプ、2月8日のブルペンでは古田敦也臨時コーチが見守るなか、内山選手と組みました。低めのボールを内山選手がうしろに逸らすと「キャッチャー、しっかり止めろよ!」と、古田臨時コーチから檄が飛びました。

「あれはいいボールじゃなかったので......。自分がいい球を投げていればキャッチャーも捕りやすいですし、投げていてもいい感触があります」

高津監督、中村悠平が語る奥川

 こうした奥川の考えについて、高津臣吾監督はこんな話をしてくれた。

「基本的にピッチャーはわがままなので、キャッチャーのことを思って投げることってあまりないんです。逆に言えば、キャッチャーはピッチャーのことを思い、リードしていくところが強いのかなと。なので、やっぱり理解ということでは、キャッチャーの役割がすごく大きいと思っています。

 僕は古田さんと長くやってきて、古田さんのことをよくわかっていますけど、古田さんはその何倍も僕のことを理解してくれていたと思います。奥川がキャッチャーのことをどこまで理解しようとしていたかは、頭のなかのことであり、目に見えるものではないのでよくわからないですが、お互いのことを理解しあうことはすごく大事だと思います」

 正捕手の中村は「能力が高いと言ってしまえばそれまでなんですけど......」と前置きしたうえで、奥川についてこう語る。

「キャッチャーとして、たとえばここで勝負したい、カウントをとりたい、ボール球にしたい......といった意図をピッチャーに汲みとってほしいという思いはすごくあります。奥川はその意図を汲みとるレベルが非常に高いですね。ベンチで話していても、僕らの考えを理解しようとしてくれていることが伝わってきます。それに意図したところに投げられる能力の高さがあるので、僕らとしても助かります。その球で勝負が決められるわけですから。

 僕自身は、今は奥川中心のリードを意識しています。どうすれば彼がのびのび投げられるのか。ただ、いずれはチームを背負う投手になっていくので、そのことで責任感も出てきます。そういった時に、また手助けできればなと思っています」

 再び、話を奥川に戻す。

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