広島・中村奨成が悔いる自らの甘え。「どこかで、遊びに行きたいなという思いがあった」
プロ野球2022開幕特集
広島・中村奨成インタビュー
2017年夏、甲子園で1大会6本塁打の新記録を打ち立てた広陵高の中村奨成は、プロ入り4年で通算43試合の出場にとどまっている。プロ5年目を迎える今年、春季キャンプでは捕手だけでなく、外野に本格挑戦。出場機会を求めて、捕手と外野の二刀流に取り組んでいる。プロで歩んできた道のりと、5年目にかける思いを語ってもらった。
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プロ3年目までの自分
── 今年の春季キャンプから本格的に外野に挑戦しています。
「なんとか今年、レギュラーを獲るために。現状、捕手でレギュラーを獲るのが難しいことは自分でもわかっています。外野は(鈴木)誠也さんがいなくなり、(西川龍馬選手の出遅れもあり)現状は空いている。まずは試合に出られるようにそこを狙って、打撃、守備に取り組んでいます」
── 捕手へのこだわりより、試合出場にこだわるようになったのは、昨年一軍で39試合に出場した経験からでしょうか。
「そうですね。それまで3年間はほとんど二軍でしたし、自分でも『いつ上がれるのかな』と不安のほうが大きかった。そんななか、昨年は一軍で39試合に出場させてもらい『やっぱり野球は楽しいな』と思った。一軍の舞台で、あの大観衆のなかで、野球をしたいという思いがよりいっそう強くなりました」
── いま振り返ると、3年目までの自分自身をどうだったと思われますか。
「本気で野球と向き合っていたかと言われると......どこかで『遊びに行きたいな』という思いが少なからずありました。ずっと二軍暮らしで、自分がレベルアップしているとも感じなかった。自分の努力不足だということを、あらためて感じています。そういう経験もあり、昨年一軍の試合に出させていただいたことで、ちょっとずつ自覚が出てきました」
── 精神的に弱かったと。
「甘かったし、弱かったですね。練習しようとしてもやる気にならないし、真摯に野球と向き合えていなかったのかもしれません」
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