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広島・中村奨成が悔いる自らの甘え。「どこかで、遊びに行きたいなという思いがあった」 (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Koike Yoshihiro

ドラフト1位の重圧はあった

── 広陵時代に甲子園で1大会最多本塁打を記録し、大きな注目を集めて地元広島にドラフト1位で入団しました。重圧はありましたか。

「甲子園で活躍して、プロに入って、1年目は周りからもそういう目で見られていた。正直、それはすごくしんどかったですね。僕は高校1年から全国的に注目された選手ではなく、最後の夏の甲子園でちょっと活躍しただけなので、すごい選手という感覚がない。(1大会6本塁打を)打った事実はあっても、周りが騒ぐような選手じゃないと思っていましたし、ドラフト1位でプロにいける選手じゃないと思っていました。だから、甲子園での活躍をプロでも......と期待されるのはしんどかったです」

── 今年でプロ5年目。また"新しい中村奨成"を見せられる1年になるのではないでしょうか。

「僕のなかではガラッと変わっている。ポジションもそうですし、感覚的に全然違う。それはそれでプラスに捉えています。『捕手で見たい』という声も耳にしますが、僕はどこでもいいから試合に出たい。昨年、今年とその気持ちはどんどん強くなっている。外野でレギュラーを獲って、試合に出れば違うと感じる姿を見せられるのかなと思う。それで『甲子園の輝きを取り戻した』と、そう言ってもらえればうれしいですね」

── 背番号と同じ22年。どのようなシーズンにしたいですか。

「とにかく試合にたくさん出たいです。ポジションにこだわらず、まずは昨年の成績をすべて超えられるように。まずはそこから。とにかく、首脳陣の方に『奨成を使いたい』と思われる選手になりたいと思います」

中村奨成(なかむら・しょうせい)
1999年6月6日、広島県生まれ。広陵高校時代の3年夏に甲子園に出場し、1大会6本塁打の新記録を打ち立て、チームを準優勝に導く。2017年ドラフトの目玉として注目され、2球団による競合の末、広島が交渉権を獲得し入団。プロ4年目の昨年、自己最多の39試合に出場し、プロ初安打、初本塁をマークした。

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