斎藤佑樹が振り返る幼少時のほろ苦い記憶「せっかく野球を始めたのに...1球でやめました」 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta

 素振り100回、腕立て伏せ30回、スクワット30回、あとは夜のお風呂で手首を100回振る。お風呂のトレーニング以外は帰ってすぐにやりました。僕、昔から夏休みの宿題は早く終わらせたいタイプだったので、それが身についていたんだと思います。

 もともと誰かが見ているとか見てないとか、そういうことに関心がなくて、自分のやりたいことしかしたくないし、自分のやりたいことさえできればそれでいいという感覚でしたから、誰かへのアピールのためにやるという発想はなかった。

 帰ってきてトレーニングしたら、とにかく昼寝をしたかったんです。やることやって、寝て、父が帰ってくる頃に起きて夕飯......というのがいつものパターンでした。お腹がすいて我慢できない時はおにぎりやピザでつないで家族全員で夕食......僕は母のつくった豚汁が大好きでした。今も実家に帰ると、母は必ず豚汁、つくってくれますよ。

*  *  *  *  *  *  *  *

 斎藤が小学校4年生の夏、甲子園で横浜高校が優勝、春夏連覇を成し遂げる。テレビで松坂大輔のガッツポーズを見た斎藤はその姿に未来の自分を重ねていた──。

(第2回へ続く)

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