2022.02.19

NPBで輝いたセカンドの名手たち。現役唯一のゴールデン・グラブ・レジェンズとなった菊池涼介の「見えないファインプレー」

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

 1972年に制定され、「守備のベストナイン」を謳い文句にした「三井ゴールデン・グラブ賞(1985年まではダイヤモンド・グラブ賞)」は、昨年、50年の年輪を重ねた。それを記念して、ファンの投票により、歴代受賞者から最強の守備陣「ゴールデン・グラブ・レジェンズ」が発表された。レジェンズに選ばれた選手と受賞回数は以下のとおり。

投手:桑田真澄(巨人/8回)
捕手:古田敦也(ヤクルト/10回)
一塁手:王貞治(巨人/9回)
二塁手:菊池涼介(広島/9回)
三塁手:中村紀洋(近鉄ほか/7回)
遊撃手:井端弘和(中日ほか/7回)
外野手:イチロー(オリックス/7回)
外野手:新庄剛志(阪神ほか/10回)
外野手:秋山幸二(西武ほか/11回)

2013年から9年連続ゴールデン・グラブ賞に輝いている広島・菊池涼介2013年から9年連続ゴールデン・グラブ賞に輝いている広島・菊池涼介 この記事に関連する写真を見る  この顔ぶれを見ると、実際の受賞回数を加味した「名手として記憶に残る」選手が選ばれている。なかでも、注目は現役から唯一選出された菊池だろう。ちなみに、今回の二塁手部門での投票結果は、次のとおりだった。

1位:菊池涼介(9913票)
2位:荒木雅博(3220票)
3位:辻発彦(2380票)
4位:篠塚利夫(1358票)
5位:仁志敏久(1293票)

 2位に6000票以上をつける圧勝だったわけだが、これまでの長いプロ野球の歴史において、名二塁手と呼ばれた選手はどれほどいたのだろうか。

【掛布もうなるバックトスの名人】

 ゴールデン・グラブ賞のパ・リーグの第1号は、大下剛志(東映/現・日本ハム)だった。大下は広島商、駒澤大で鍛え上げられた守備力をプロの世界でも発揮。とくに、伝説の遊撃手と評された大橋譲との二遊間のコンビネーションはすばらしかった。東映に在籍したことがある江本孟紀からこんな話を聞いたことがある。

「大差で負けている時は、走者がいないにもかかわらずショートゴロが飛ぶと"6-4-3"とボールを回してアウトをとった。ファンサービスでプロの華麗な守備を見せていた」

 その後、大下は1975年に広島に移籍するも、その年にセ・リーグのゴールデン・クラブ賞に輝く活躍を見せ、チームの初優勝に大きく貢献している。