栗山英樹が侍ジャパンの指揮官になった理由。3月の台湾戦は「中心選手は呼ばなくてもいい。見極める選手を試す」 (5ページ目)
【必要なのは日本野球のプライド】
── ただ、チームとしての骨格が決まっているのなら、中心となる選手は早く集めて、チームとしての熟成を図るということも必要なんじゃないですか。
「もちろんチームとしての熟成も個の力も両方とも大事なんですけど、今回はチームを熟成させるとか、メンバーの信頼関係をつくるとか、そういう時間はないという前提で進んでいると考えなくちゃいけない。だったら、そうじゃない形を求めていくしかないんです。チームに入った瞬間、全員がキャプテンで、全員が日本の魂はこれだ、日の丸を背負って戦うのはこうなんだというところを持っている選手に集まってもらっているはずですからね。チームとしての熟成も信頼も、日の丸への想い、日本の魂が形づくってくれると信じています」
── その魂とか、日の丸への想いを持っている選手かどうかについては、どうやって判断するんでしょう。
「そこはわかりますよね。出たくてしょうがない、みたいな選手って、その想いは伝わってきます。絶対に出たいと思っている選手のほうが、力は劣っていても、あんまり出たくないなという選手よりはいいかなと思いますよ。ただ、日本の魂とか日の丸とか、そういうことだけじゃなくて、野球人としてのプライドを持っていない選手はこの国にはいないと思っていますからね」
── 野球人のプライド?
「日本で野球をやって育ってきた選手は、日本の野球でメジャーリーグの野球に勝つんだというプライドを絶対に持っていると思うんです。だから僕は『日の丸、日の丸』と言うつもりはないけど、『日本野球のプライド』ということは声を大にして言っていきたい。メジャーリーガーが集まったアメリカ、ドミニカ、プエルトリコ......ほかにも、相手にとって不足のないチームが揃うわけだから、そのプライドは前面に出して戦っていきたいと思っています」
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