栗山英樹が侍ジャパンの指揮官になった理由。3月の台湾戦は「中心選手は呼ばなくてもいい。見極める選手を試す」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sano Miki

── WBCとオリンピックの違いについてはいかかですか。

「野球という難しい競技に向き合いながらプレッシャーのなかで勝ちきらなきゃいけない、というところはまったく一緒だと思います。ただ、WBCにはメジャーリーガーが参加する、というところは大きく違いますよね。WBCはメジャーリーガーとの戦いだ、という認識が僕のなかにありますから、そこは野球人としてメジャーリーグに立ち向かっていく大きな戦いであるというふうに考えています。

 僕はずっとメジャーリーグが大好きでしたし、そういう戦いに向けてすべてをかけられるということには感謝しかない。それだけに責任が重いし、もしうまくいかなかったらと考えると怖くてしょうがないし......それでも野球をつくった国、アメリカに立ち向かうということは、野球の原点に向かうということですから、やりがいはありますよね」

── WBCはもちろん、オリンピックも含めた過去の国際舞台の経験者に話を聞こうというお考えはありますか。

「もちろん、あります。たとえば松坂(大輔)投手にも、春のWBCというのが投げていてどういう感じになるのか、球数はどうか......その難しさは経験者に聞いてみないとわからないと思っています。そういう過去の国際舞台を経験した先輩方が脈々と受け継いでこられた"いいもの"を知っておかなければ、そこに応用力を重ねて勝ちきることは難しいんじゃないかと思っています」

── 応用力、というのは?

「そこはみんながビックリするような、おもしろくなるような、そういう発想は持っているつもりです。でも、それが先にくるわけじゃない。勝ちきることがまずあって、そのなかにみんなが驚くようなものがないかを探してみたいと思っています」

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