200勝目前の石川雅規に八重樫幸雄がエール。ヤクルトなら「バッターは若松、ピッチャーは石川という時代が訪れてほしい」 (3ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【石にしがみついてでも、悲願の200勝を!】

――2000年代、2010年代は館山昌平投手とともに、間違いなく石川さんがチームをけん引し続けましたね。

八重樫 館山の存在も大きかったでしょうね。石川には謙虚さもあって、内に秘めた思いがある。館山の場合は「謙虚じゃない」とは言わないけど、「ダメです。投げられません」と、思ったことをきちんと口に出すことができる。タイプの違う性格のピッチャーが同時代にいたのは、チームにとっても、本人たちにとってもよかったと思います。

――さぁ、プロ21年目のキャンプが始まりました。200勝までは残り23勝です。あらためて、石川さんについてどのような思いがありますか?

八重樫 石川には限界がくるまでとことん頑張ってほしいね。最近の若い投手は、すごく速いボールを投げるけど、石川のように小さな体で、そこまでボールにスピードがなくてもバッターを抑えることができるということを示してほしいです。あの体で200勝して名球会に入ったら本当に大したものだし、歴代でもヤクルトを代表する選手になりますよ。「ヤクルトと言えば、バッターは若松(勉)、ピッチャーは石川」という時代が訪れてほしいね。

――日本シリーズでの見事な勝利もありました。八重樫さんの目から見て、まだまだ衰えは感じないですか?

八重樫 ケガさえなければまだまだ通用しますよ。実際に結果を残すことができているし、若い投手のお手本にもなる。そういう意味でも、石川の力は必要です。あとはしっかりと先発ローテーションに入ることができるかどうか。それはもちろん、高津(臣吾)監督の考えることだけど、ぜひローテーション入りを目指してほしいですね。

――本当に200勝を達成してほしいですね。

八重樫 繰り返しになるけど、石川の頑張りは多くの人に勇気を与えることになるから、石にしがみついてでも200勝を達成してほしいです。

――......さて、実は今回をもってこの「オープン球話」の定期連載が終了となります。2年半にわたる長期連載となりました。今後も不定期でお話を伺えたらと思いますが、あらためて、連載を読んでくださった方々に八重樫さんからごあいさつをお願いします。

八重樫 この連載を通じて、たくさんのことをお話しできて楽しかったです。話しているうちに、いろいろと思い出してボケ防止になりました(笑)。僕も楽しんで話したけど、みなさんにも楽しんでもらえたなら嬉しいです。またお会いできたらいいなと思います。長い間、ありがとうございました!

■100回に及んだ八重樫幸雄さんの連載一覧はこちら>>

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