「今さら言いなりになるのもダセえなって」。愛と雑草魂と直球を武器に日本ハム・吉田輝星が4年目に挑む (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

 ジャイアンツの湯浅大、スコット・ハイネマン、重信慎之介の3人を三振に斬って取った吉田はこの試合、7回86球を投げて被安打2、無失点のピッチングを披露する。結局、昨年の吉田は二軍では6勝を挙げ、8月にはファーム月間MVPも受賞した。プロ4年目、吉田が目指すところはどこなのだろう。

「背番号18が球界で一番似合う男になりたいっス。(斎藤)佑樹さんの引退を知った時に思ったんスよ。ファイターズのエース番号ってダルビッシュ(有)さんとか大谷(翔平)さんの11番ってイメージがあるじゃないスか。でも、佑樹さんがつけていた18番を今、自分がつけている。やっぱ、ピッチャーの18って背番号は特別だと思うんスよ。

 桑田(真澄)さん、松坂(大輔)さん、マエケン(前田健太)さん、マー君(田中将大)さんとか......自分、東北なんで、マー君さんが優勝した時はめっちゃ格好いいなと思いました。小学校の選抜チームに選ばれた時、背番号10って言われて、ピッチャーだったら1か18がいいって言っちゃいましたからね。結局、10でしたけど(笑)」

 ならば、18番が似合うエースになるために必要なものは何なのかと聞いてみた。すると吉田はこう即答した。

「愛じゃないスか。後輩に対する気遣いとかファンに対するサービスとか、気持ちがデカくないとできないし、そうやって人間的に尊敬されるような男にならないとエースにはなれない。背中で語れるような男になることが一番じゃないかな、と思います」

 手芸と喧嘩、バイクテクを武器とする湘爆の二代目リーダー、江口洋助にぶっちゃけ憧れる吉田輝星──背中で語る背番号18は愛と雑草魂とストレートを武器に、2022年の顔になる。

(第3回:髙橋藍(バレーボール)イタリア挑戦1年目の試練>>)

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