ラミレスが2021年のセ・リーグを総括。ヤクルト優勝、阪神失速の理由、来季のサプライズチームを語る (3ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【中日は来季のサプライズ候補】

――続いて、5位の中日ドラゴンズについてお願いします。

ラミレス チーム防御率が12球団トップだったように、柳裕也をはじめとして先発投手陣には何も問題がなく、リリーフ陣も万全でした。それだけに、チームとして5位に終わってしまったのはもったいなかったですね。ホーム球場であるバンテリンドームでは圧倒的な強さを誇りつつ、シーズン全体としては結果が出ない。課題は明白で、攻撃力アップこそ、中日に求められている点です。

――ここ数年、ずっと打撃陣の奮起が期待されるシーズンが続いています。

ラミレス 毎年期待されている高橋周平が、不振に苦しんだことが痛かったですね。今シーズンは、打率.259で、ホームランは5本、打点はわずかに39。これでは相手バッテリーに脅威を与えることはできません。そして、ダヤン・ビシエドの前後を打つ外国人選手をしっかり固めないと、ビシエドと勝負をしてもらうこともなくなり、ますます得点力は下がってしまいます。

――中日の来シーズンをどのように予想しますか?

ラミレス 攻撃陣に大きな課題があるとはいえ、投手力はリーグ屈指であることは間違いないし、現段階で私が「セ・リーグナンバーワンキャッチャーだ」と考える木下拓哉を中心に、センターラインも揃っています。先発投手もいい、クローザーのライデル・マルティネスもいい。攻撃陣に飛躍が見られれば、優勝もあるかもしれません。2022年のサプライズ候補の筆頭は中日だと思いますね。

――では、三浦大輔新監督の下で臨んだ横浜DeNAベイスターズはいかがでしょうか?

ラミレス 規定打席に到達していて、打率3割以上を打っているバッターが牧秀悟、桑原将志、佐野恵太、宮﨑敏郎と4人もいます。得点力もある。それで最下位というのはちょっと珍しいし、問題があるんだと思います。それはピッチャーであり、キャッチャーであり、バッテリーの問題ですね。

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