ラミレスが2021年のパ・リーグを総括。来季の期待はロッテ。新庄ビッグボスへは「勝てない時期にどんな態度を見せるのか」に注目

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

ラミレスの2021プロ野球総括
パ・リーグ編 

(セ・リーグ編:優勝するべきだった球団、来季のサプライズ候補は?>>)

ラミレス氏は日本ハム・新庄監督など来期以降の展望も語ったラミレス氏は日本ハム・新庄監督など来期以降の展望も語ったこの記事に関連する写真を見る

【楽天の課題はキャッチャー】

――セ・リーグ編に続いて、今回は2021年プロ野球、パ・リーグ総括をお願いします。

ラミレス パ・リーグ全体を通してみると、千葉ロッテマリーンズがいいシーズンを過ごしたように思いますね。結果的にクライマックスシリーズ(CS)ではオリックス・バファローズに敗れてしまったけれど、井口資仁監督の目指す、「目の前の1点に徹底的にこだわる野球」が、今年はより鮮明になりました。監督としての経験を積んで、堂々と采配している姿が目立つし、投手陣、野手陣の戦力補強も整っている。来年にはかなり期待が持てると思います。

――就任4年目を終え、来季は井口監督にとって勝負の5年目となりますね。

ラミレス 今年もいい戦い方をしていました。短期決戦であるCSでは、オリックス・バファローズの勢いが上回っていたけれど、戦力的にも、采配的にも、ロッテの来年は楽しみです。個人的には東北楽天ゴールデンイーグルスもいいチームだと考えていましたが......。

――今年の楽天についてはどう見ていましたか?

ラミレス 開幕前の先発投手陣を見ても、則本昂大、岸孝之がいて、涌井秀章も健在な上に田中将大まで加入して、実績のあるエースが4人もいる豪華なラインナップでした。ただ、懸案事項だった打線で外国人選手がいずれも不振だったため、どうしても浅村栄斗ひとりにマークが集中してしまったことが痛かったです。

――今季は島内宏明選手が初の打点王に輝いたり、岡島豪郎選手や鈴木大地選手が打率ベストテン入りしたりしましたが、確かに長打力には欠けましたね。

ラミレス 好打者はいても一発を期待できる長距離バッターが浅村以外に見当たらなければ、どうしても打線に迫力も怖さも生まれない。それでは、相手チームに脅威を与えることはできないですから。あと、楽天の課題はキャッチャーですね。

――楽天のキャッチャー陣について解説してください。

ラミレス プロ3年目の太田光が107試合に出場、ベテランの炭谷銀仁朗が51試合、7年目の田中貴也が31試合の出場でした。これだけ実績がある強力な投手陣をリードするとなると、キャッチャーもなかなか大変だとは思いますけど、ひとりに絞ってレギュラーキャッチャーを作りたいところです。その筆頭が太田になるのかもしれないですが、石井一久監督もまだまだ辛抱が必要になるでしょうね。

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