横浜DeNAの牧秀悟が分析した自身の活躍の理由。2年目のジンクスは「めちゃくちゃ不安ですよ」 (5ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Koike Yoshihiro

 ベンチからの応援もしかり、グラウンド外でも牧はチームにとって欠かせない存在だ。若手筆頭として、試合の前の声出しでスベってしまっても、くじけずに声を出しムードを高めた。チームメイトからよくいじられて笑顔の輪の中心にいる姿を目撃するのだが、いじるのといじられるのはどちらが好きなのだろうか?

「うーん。どちらかといえば、いじられるほうですかね」

 そう言うと牧は笑ったが、人が喜んでいる姿を見るのが好きなのだという。すっかりチームに溶け込み、牧の存在はこの1年で計り知れないものになった。

【来年は絶対にやり返す】

 個人的にはこれ以上ないシーズンだったが、やはり牧の一番の関心はチームの勝利にしかない。

「やりやすい環境でしたし、入団前以上に、このチームで優勝したいという気持ちが強くなったのは間違いありません」

 横浜スタジアム最終戦、ヤクルトに目の前で胴上げをされてしまったあの光景が、今でも脳裏に焼きついている。

「本当に悔しかったです。ヤクルトは昨年最下位から優勝しました。だから自分たちもそれができる可能性はあるし、来年は絶対にやり返してやろうって」

 巻き返しの来季、"2年目のジンクス"という言葉がつきまとうが、三浦監督や首脳陣に話を聞くかぎり、不安はないように思えるのだが......。

「いや、正直めちゃくちゃ不安ですよ」

 牧は苦笑しながら言った。

「1年目が出来すぎだったので大丈夫かなという思いはあるんですけど......ただ、すべてを見直し、初心を忘れなければ大丈夫だと思っています。まずは自分のことよりもチームのためというスタンスを忘れずに頑張っていきたいです」

 それでこそ、牧秀悟である。目標はチームの勝利に一番貢献できる打点王である。"ベテランルーキー"と呼ばれた牧は、大きな爪痕を残し、勝負となる2年目へと向かう。

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