日本ハムOBの森本稀哲から見た、新庄剛志BIGBOSSの1年目。驚きの采配の意図や「山積みの課題」について語った

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

 成長に重きを置いてスタートした今季の日本ハム。すでにリーグ最下位になることは確定したが、就任1年目の"BIGBOSS"こと新庄剛志監督は、多くの選手をさまざまなポジションで起用するなど試行錯誤を続けてきた。そんな今季の日本ハムの戦いや課題について、現役時代に日本ハムの2006年の日本一と3度のリーグ優勝に貢献し、新庄監督とも一緒にプレーした森本稀哲氏に聞いた。

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――新庄監督はさまざまな選手起用や戦術を実施するなど、チームの改革を着々と進めていますが、ここまでをどう見ていますか?

森本稀哲(以下:森本) 新庄監督が就任当初に言っていたとおり、選手起用も戦術も、すごく思いきった野球をやっているという印象ですね。「なぜそういう野球をしていくのか?」という点については、来年以降に優勝するための土台作りが目的だと思うのですが、当初の想定よりも選手たちは伸び悩んでいるように感じます。

――多くの選手がチャンスを与えられていますね。

森本 ここまで平等にチャンスを与えてもらったら、選手も言い訳ができませんし、起用法がどうこうとは言えません。ただ、「来年に向けてレギュラーを固めていく」と明言しているシーズン終盤の段階で、来年のスタメンをイメージできる選手は、松本剛選手、上川畑大悟選手、現在はケガをしていますが野村佑希選手、来年もチームに残るのであれば近藤健介選手(今年7月に海外FA権を取得)ですね。

――新庄監督とすれば、しっかりレギュラーを確保するような選手がもっと出てきてほしかったでしょうね。

森本 もちろん、そうですね。チャンスを活かしきれなかった選手は、今季の残りの試合や秋季・春季キャンプ、オープン戦のなかでまたアピールしていかなければいけません。選手たちはそれぞれ成長していると思うのですが、一本立ちできることが大事だと思います。そういう選手が現状では少ないので、物足りなさを感じています。

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