日本ハムOBの森本稀哲から見た、新庄剛志BIGBOSSの1年目。驚きの采配の意図や「山積みの課題」について語った (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

清宮幸太郎の課題

――今季、森本さんが驚いた采配はありましたか?

森本 満塁でのエンドラン(8月30日の西武戦)もびっくりしましたが、開幕3連戦(PayPayドーム)でのピッチャーの使い方も驚きました。「ピッチャーを全員投げさせる」という目的で、4試合目の本拠地開幕戦からしっかり取っていくみたいな考え方だったと思いますが、143試合を見越した起用法でしたね。

 もしかすると、開幕3連戦の勝率は低くなったかも知れませんが、その3連戦で多くのピッチャーを投げさせることによって、みんなが4試合目からスッと入れた部分もあるでしょう。新庄監督だからこそできた采配。一見、突拍子がないように見えることでも、すべてに意図があります。

――個々の選手についてもお聞きします。多くの出場機会を与えられ、打率は.215ながら17本塁打をマークしている清宮選手はどうですか?

森本 守備はまだまだ課題が多いように見えます。バッティングも、今年は自分で考えたスイングでキャンプに入ったようですが、その形がよくなかったように見えました。右肘と右腰がすぐに開いてしまい、足を使ってバットを振れていないので、どうしても落ちるボールなどに弱い。そうなると"打たされて"しまいますし、打ち損じも多くなります。

――期間は短くとも、状態のいい時期もあったと思いますが、打撃面の課題が根本的に解決したわけではない?

森本 右腰が右にスッと逃げてしまい、左肩が下がって振らされる。その形では確率高くバットを強く振ることはできません。今季は起用してもらえる機会が多くなって本塁打は出ていますけど、打率は伸び悩んでいる。やはり何かを変えていかなきゃいけないことだと思います。

 数字はプロ野球選手のすべてなので、向き合っていかなければいけません。「あなたの今年の成績はこの数字」と突きつけられるわけですから。5年目になりますし、「他の選手がこうやって打っているから」などではなく、自分に合った打ち方をもっと研究して、自分の形を作らなきゃいけないと思います。

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