パ・リーグの優勝争いは楽天が本命も「ロッテが一番面白い」。高木豊が後半戦を占う
高木豊が語るプロ野球の後半戦 中編(前編:セ・リーグは巨人が有利>>)
パ・リーグ展望
8月22日の試合終了時点で、首位オリックスから4位ソフトバンクまでが4.5ゲーム差にひしめくパ・リーグ。セ・リーグに引き続き、パ・リーグの後半戦の展望を高木豊に聞いた。
8月14日のオリックス戦で勝ち越し打を放ち、美馬(右)に迎えられるロッテ・藤原この記事に関連する写真を見る***
――パ・リーグも混戦模様ですが、抜け出していきそうなチームは?
高木豊(以下:高木) 挙げるとすれば楽天です。田中(将大)、涌井(秀章)、岸(孝之)、則本(昴大)、早川(隆久)と先発の投手力がしっかりしていて、彼らが実力を出せるかどうかがポイント。まともにいけば、試合を壊すようなピッチャーはひとりもいません。
あと、炭谷(銀仁朗)の加入が大きいです。涌井や岸のことをよく知っていて、優勝経験もありますし、キャッチャーとしての座りもいい。今まではピッチャーがキャッチャーをリードしている感じでしたけど、炭谷が入ることでキャッチャーがピッチャーをリードするようになってきています。炭谷が実力を引き出すことで、前半戦は不完全燃焼だったピッチャーたちが連勝することもあるかもしれません。
中断期間もあって、練習の時も含めて投手陣としっかりとコミュニケーションをとっていると思いますし、そういうのが徐々に出だすかなと。
――楽天の打線はどうでしょうか?
高木 細かいことができる打線ではないですね。ただ、投手陣が整備されたとしたら、スクイズなども含めた「1点をどうやって取るか」という作戦も多く用意する必要があると思います。楽天はリリーフ陣も松井(裕樹)など力がありますから、先発がだいたい3点以内で抑えてくれると想定すれば、1点をいかにもぎ取るかがカギになります。
――現在は、やはり先発投手陣が強力で、ブレイクを果たした杉本(裕太郎)選手がどっしりと4番に座るオリックスが首位を走っています。
高木 そうですね。山岡(泰輔)がまだ2軍で調整中ですが、山本(由伸)や宮城(大弥)、田嶋(大樹)など充実しています。楽天と双璧と言えるかどうかはわかりませんけど......投手陣のボールの勢いなどはオリックスのほうがあって、楽天はテクニックで抑えるピッチャーが多い印象です。
打線はトップバッターの福田(周平)から、宗(佑磨)、吉田(正尚)、杉本と続くのは、やはり相手ピッチャーからすると嫌ですよ。足があって、破壊力もある。ただ、昨年まではチームが低迷するシーズンが多かったですし、「このまま首位を走り続けられるか」という点には懸念があります。
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