高木豊が語るセ・リーグ優勝争い、阪神より巨人が有利な理由。ただし「ヤクルトも乗ったら本当に怖い」

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei visual

高木豊が語るプロ野球の後半戦 前編
セ・リーグ展望

 セ・リーグは阪神、巨人、ヤクルトによる熾烈な上位争いが続いている。東京五輪による中断期間を経て、抜け出すチームはあるのか。

 現役時代は長らく大洋(現DeNA)で活躍し、引退後はDeNAやアテネ五輪日本代表でコーチを歴任。現在は解説者やYouTubeなど幅広い分野で活動する高木豊に、セ・リーグの後半戦の展望を聞いた。

リーグ再開後、佐藤がホームランを連発するなど4連勝もあった阪神だが......リーグ再開後、佐藤がホームランを連発するなど4連勝もあった阪神だが......この記事に関連する写真を見る***

――セ・リーグは、阪神、巨人、ヤクルトの上位3チームの争いが熾烈です。どのチームが抜け出しそうですか?

高木豊(以下:高木) どこかのチームが抜け出すということはなく、しばらくは三つ巴の状態が続くと思います。上位チームは下位チームとの対戦で星を落としたくないと思いますが、下位チームはどこも特長があって、簡単に勝てるとは考えにくいです。

 中日であればピッチャーがよく、本拠地のバンテリンドームはピッチャー有利なのに対して、DeNAは打線がいいことに加え、横浜スタジアムが狭くてバッター有利。広島は若手選手勢に勢いがあるといったように、下位チーム相手にも簡単に連勝とはいかないでしょう。

――混戦はしばらく続く?

高木 そうですね......下位の3チームがAクラスに浮上するのは難しい状況ですが、上位チームに関しては残り15試合ぐらいからが勝負かなと思っています。

 ヤクルトは天候の影響で日程がズレるのが怖いですね。先発投手の頭数は揃ってはいますが、少し弱い部分があるので、(雨天中止の影響で)終盤に連戦になってくると厳しくなります。後半戦も開始早々に雨で試合が流れたりしましたが、しわ寄せは必ず終盤にくるでしょう。

 甲子園が本拠地の阪神にも同じことが言えますが、ヤクルトより投手陣の調子がいいですから、日程がタイトになってもおそらく大丈夫だと思います。一方、巨人はドームで天候に左右されずに調整ができます。そう考えていくと、巨人が有利かなと見ています。3チームの混戦というのは変わらないと思いますが。

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