佐藤輝明も大暴れなるか。大谷、清原などオールスターで活躍した怪物ルーキーたち

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

 昨年はコロナ禍で中止となったプロ野球のオールスターゲームが2年ぶりに開催される(7月16日、17日)。今年はファン投票で、阪神のルーキー・佐藤輝明と中野拓夢が選出され、監督推薦で広島1年目の守護神・栗林良吏らも選ばれるなど、フレッシュな選手たちが豪華メンバーと顔を並べることになった。

2013年のオールスター第2戦で、巨人・菅野からヒットを放った日本ハムの大谷2013年のオールスター第2戦で、巨人・菅野からヒットを放った日本ハムの大谷この記事に関連する写真を見る 各チームで活躍するルーキーたちのパフォーマンスに期待が高まるが、過去のオールスターゲームでファンを大いに沸かせた、プロ1年目の選手たちのプレーを振り返ってみよう。

 1990年は、史上初となるルーキー同士の先発対決が実現。独特のトルネード投法から繰り出す落差の大きいフォークで三振の山を築いていた野茂英雄(近鉄)と、150km以上の剛球を武器に開幕早々からクローザーとして活躍していた与田剛(中日)が、第2戦で相まみえた。

 慣れない先発マウンドに上がった与田は、152kmの直球でパ・リーグの3番ラルフ・ブライアントから空振りを奪うなど、オールスターゲームということもあって、自慢の直球でどんどん攻める。しかし、4番の清原和博(西武)にそれを完璧に捉えられ、平和台球場の左中間上段に飛び込む特大ホームランを許した。

 しかしその直後、再び見せ場が訪れる。セ・リーグ4番の落合博満(中日)が同僚の与田の敵討ちとばかりに、野茂が投じた5球目の直球を捉え、左翼席にホームランをたたき込んだのだ。大物ルーキー同士の対決が注目されていたが、球場を沸かせたのは両リーグが誇る絶対的な4番打者。「役者の違い」を見せつける格好になった。

 落合に一発を打たれた印象が強い野茂だが、続く原辰徳(巨人)からはフォークで、駒田徳広(巨人)からは高めの直球で空振り三振を奪うなど、"ドクターK"の片鱗を随所に見せた。

 同年のリーグで、野茂は29試合に登板して18勝8敗、防御率2.91、287奪三振という驚異的な成績を残し、最多勝や最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率のほか、ベストナイン、沢村賞、MVP、新人王とタイトルを総なめにした。一方の与田も、当時最多となるルーキーイヤーでの31セーブをマークするなど、共にシーズンを通じて圧倒的な活躍を見せた。

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