「今いるメンバーでどう優勝するか」三浦大輔監督が語る今季と「ハマの番長」秘話 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Koike Yoshihiro

「プロ野球選手ですし、FAで移籍は選手の権利です。ふたりがジャイアンツに行ったから巨人戦だけはというのではなく、他球団にも勝たないと優勝できないんでね。今いるメンバーでどうやって戦っていこうか、どうやって優勝しようか、それしか考えていないです」

 梶谷の穴はキャンプから元気なプレーを見せていた桑原将志が埋め、来日が遅れているオースティンのところは関根大気がいいプレーを見せてカバーしている。梶谷の人的補償で巨人から移籍してきた田中俊太は開幕戦で古巣・巨人相手に6打点を叩き出すなど非常に好調だ。チャンスを得た選手が伸び伸びとプレーしており、今後が楽しみだ。

 チームキャプテンは、三浦監督が「昨年キャプテンという重責を果たした」という佐野恵太に今年も託された。佐野は昨年首位打者となり、シーズン後、背番号も「7」に変わった。「ハマの顔」になりつつあるが、今年はさらなる活躍が期待される。

 では、優勝のキーマンになる選手は誰になるのだろうか。

「誰とかはないです、全員ですよ。全員に頑張ってもらわないと勝てないと思っていますし、全員に活躍してほしいと思っています」

 三浦監督には優勝を狙うのと同時に、準永久欠番になっている18番が似合うエースを育てることにも期待が高まる。

「18番をつけるための条件とかはないですよ。18番をつけたいという気持ちと、その背番号に誇りをもって投げてくれる選手であればいい」

 シーズン中に、そういう存在が見えて来ればチームに勢いが出てくる。08年のFAの時、横浜でもう一度、優勝したいと残留を決めた。その強い思いは今も変わらない。

 開幕から厳しい戦いは続いているが、まだシーズンは始まったばかり。頂点へと駆け上がり、「ハマの番長」から「ハマのボス」へと成り上がれるか──。三浦監督のこれからが楽しみでならない。

FMヨコハマ『日立システムズエンジニアリングサービス LANDMARK SPORTS HEROES

毎週日曜日 15:30〜16:00

スポーツジャーナリスト・佐藤俊とモリタニブンペイが、毎回、旬なアスリートにインタビューするスポーツドキュメンタリー。
強みは機動力と取材力。長年、野球、サッカー、バスケットボール、陸上、水泳、卓球など幅広く取材を続けてきた二人のノウハウと人脈を生かし、スポーツの本質に迫ります。
ケガや挫折、さまざまな苦難をものともせず挑戦を続け、夢を追い続けるスポーツヒーローの姿を通じて、リスナーの皆さんに元気と勇気をお届けします。

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