ライオンズ高橋光成、エースになるための模索。動作解析で何を手に入れた?
ついに2021年プロ野球が開幕した。8年ぶりに日本球界復帰を果たした田中将大を筆頭に、捲土重来を期すベテラン、躍動するルーキーなど、見どころが満載。スポルティーバでは2021年シーズンがより楽しくなる記事を随時配信。野球の面白さをあますところなくお伝えする。
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普段とは、異なる目覚めの朝だった。本拠地メットライフドームへ向かう車中でも、いつもとはどこか異なる感覚に包まれている。
2021年3月26日。埼玉西武ライオンズで高卒7年目のシーズンを迎えた高橋光成は、自身初の開幕投手に抜擢された。
2014年ドラフト1位で前橋育英高から西武に入団した高橋光成「緊張はしていたけど、ヤバイというほどではなかったですね。緊張感が悪い方向には行かなかったです」
大役の重みを感じながら、自分の心身をうまくコントロールできた。最速154キロの速球はこの日、軒並み140キロ台後半で、決して調子がよかったわけではない。それでも8回途中3失点と試合を作り、オリックスのエース・山本由伸に投げ勝った。
「初戦で勝てたのはすごく大きいです。悪いなりにフォアボールを出さなかったのは、自分のなかで収穫ですね」
続く4月2日のソフトバンク戦でも粘り強い投球で8回2失点と好投し、このカードでの自身の連勝を7に伸ばしている。
「1年間、いい時も悪い時も、長いイニングを投げられるように。しっかりゲームを作り、勝ちに結びつけられるような投球をしたいですね」
今季は開幕から2連勝と好スタートを切った。前橋育英高校2年夏に甲子園優勝投手となり、2014年ドラフト1位で入団した右腕投手は24歳になった今、先発投手にとって最も重要な要素を発揮している。安定感だ。
マウンド上でいつも同じように構え、左足を上げながらひじをトップの位置まで持っていき、身体に腕が振られるようにしてボールをリリースする。この一連の動作をいかに同じように繰り返すか。それは、投手にとって永遠のテーマとも言えるものだ。
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