松井秀喜も高卒2年目にブレイクした。オリックスの和製大砲への期待 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

「これまでやってきたのは、常に自分が一番上にいる野球でした。でもプロに入ったらレベルが桁違いで、自分が一番下なんです。誰よりもヘタだと感じながらやる野球は初めてでしたし、それがこんなに悔しいものなのかと思いました。でも僕は、高校生になってプロを目指そうと決めた時から、コツコツやっていけば絶対にいい方向へいくと思って毎日を過ごしてきました。何でもいいから毎日コツコツと、小さなことでもやっていく。

 もともとコツコツやるのは苦手なタイプですけど(苦笑)、それでは生き残れない世界なので、ヒットを打った、打たないに関係なく、いい日も悪い日も毎日、試合後にはバッティングをしようと決めてやってきました。今も調子が悪くなって結果が出なくなってくると、バッティングが小っちゃくなってしまいます。結果が欲しくなって、どんどん悪い方向へ転がってしまうんです。そんな時でも、中嶋(聡)監督はいつもそこを指摘して、試合に入ったら切り替えて思い切って振っていけ、と言ってくれます。だから、いいイメージを持って、コツコツやってきたことを信じて、試合では思いっ切り振っていきたいと思っています」

 高卒2年目にブレイクした1994年の松井秀喜は全130試合に出場して、打率.294、ホームラン20本の記録を残した。1991年に高卒2年目だった前田智徳は129試合に出場、打率は.271、ホームランが4本。2008年の坂本勇人は全144試合に出場し、打率.257、ホームラン8本を打っている。2014年の大谷翔平はピッチャーとして11勝をマークしている分、単純な比較がしにくいものの、バッターとして87試合に出てホームラン10本、打率.274という数字を残した。2015年の森友哉は138試合に出て、打率.287、ホームラン17本、2019年の村上宗隆は全143試合に出て、打率.231ながらホームランを36本放った。

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