「この選手が本当に育成の選手か」打撃投手・久本祐一が語る中日の野手陣

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

打撃投手・久本祐一の目 前編

 中日は昨シーズンにセ・リーグ3位となり、8年ぶりのAクラス入りを果たした。その中日を4年間、打撃投手として支えてきたのが、現役時代に中日や広島で活躍した久本祐一だ。

 現役時代は主にリリーフとして活躍し、所属チームがBクラスになったのが15年で1シーズンしかなかったことから"Aクラス請負人"とも呼ばれた。2016年のトライアウト受験後に中日の打撃投手になり、やはりチームのAクラス入りに貢献した。今シーズンは広島に活動の場を移したが、インタビューの前編では4年間で見てきた中日の野手陣について聞いた。

1軍定着を目指し、沖縄キャンプに臨む石川昂弥1軍定着を目指し、沖縄キャンプに臨む石川昂弥──昨シーズンまで中日で打撃投手を務めたわけですが、久本さんに打撃投手を依頼したという落合博満さん(当時中日ドラゴンズGM)には、チームを離れることを事前に伝えたんですか?

「落合さんにはお電話で、いの一番に報告と挨拶をしまして、『(今シーズンに広島で活動することについて)自分の人生だから』という今後へのエールをいただきました。あらためて打撃投手を依頼された時を振り返ると、『優勝経験者を集めているから、バックアップしてくれ』という言葉を思い出します。その期待に応えるため、精一杯やることができました」

──4年間で特に印象に残った打者はいますか?

「当初から気になっていたのは京田陽太です。僕が打撃投手として合流した2017年に、前年のドラフト2位で中日に入団してきた縁もあったので。現役時代を含めて、打者をルーキーからしっかりと見るのは初めてでしたから、『選手はどのように育つのか』『自分はどんな協力ができるのか』ということを深く考えるきっかけになりました」

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