2021.01.29

田中将大の楽天復帰で投手陣に波及効果。
最も恩恵を受けるのは早川だ

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sankei Visual

 キャンプイン直前に、球界に胸躍るニュースが駆け巡った。1月28日、ニューヨーク・ヤンキースからFAになった田中将大が、8年ぶりに日本球界に復帰。古巣・楽天と契約を結んだことが正式発表されたのだ。

 日米通算177勝81敗。MLBに渡る前の2013年に記録した24勝0敗、防御率1.27という超人的な成績は、今後も野球史で語り継がれる数字になるだろう。

8年ぶりに楽天へ復帰することが決まった田中将大 昨季は得意だったはずのポストシーズンで登板した2試合とも打ち込まれ、防御率12.38。衰えを指摘する声もあった。それでも2020年11月に32歳を迎えたばかりで、老け込む年齢ではない。まだまだ一線級のパフォーマンスを期待できるだろう。

 田中の加入は、楽天にとって間違いなく多大なプラス要素をもたらすはずだ。

 田中が先発ローテーションに入ることで、涌井秀章、岸孝之、則本昂大と4人全員がエース経験者という豪華な四本柱が誕生する。

 ただし、涌井、岸、則本は、近年は故障や成績の上下動が激しく、3人揃って年間通して活躍できるかは不安が残る。そこへ田中という大黒柱がそびえることで3人の負担を軽減し、ゆとりを持って本来の投球に専心させられるだろう。

 とくに田中の渡米以降、エースとして責任を一身に背負った則本は、過去2年は故障もあって5勝止まりに終わっている。マウンドでの闘志むき出しの投球を取り戻すには、田中の復帰はいいきっかけになるかもしれない。

 そして田中加入によってもたらされる最大の恩恵は、即戦力ルーキー・早川隆久(早稲田大)に過度な重圧がかかることなく起用できることだ。

 昨年に東京六大学リーグで見せた、早川のパフォーマンスは圧巻だった。秋のリーグ戦では6勝0敗、防御率0.39。46イニングを投げて被安打18、奪三振74と、まさに快刀乱麻の内容だった。

 ロッテなどで活躍した小宮山悟監督も「あの球速があって、あれだけコントロールのいい左ピッチャーは見たことがない」と太鼓判を押す。本人は「プロの狭いストライクゾーンで自分のボールが勝負できるか」をプロで活躍できるかのポイントに挙げている。