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温厚で最強だった大杉勝男。八重樫幸雄は路上での緊迫の場面に「ヤバい」 (4ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

――「気は優しくて力持ち」というのか、普段は穏やかなのに、味方の有事の際には真っ先に駆けつけるなんてカッコいいですね。

八重樫 東映時代も張本さんを守るために、自ら輪の中に入って、何人ともやりあったらしいよ。あの頃、白仁天さんがケンカが強くて有名だったけど、「本当に怒ったときには大杉さんが一番怖い」という話もあったね(笑)。

――元西鉄のカール・ボレスをワンパンチでノックアウトしたという伝説もありますよね。しかも、審判が「パンチが速すぎて見えなかったから」という理由で退場処分にならなかったという。格闘家のような伝説が!

八重樫 そうそう、一発でKOしたっていう話だよね(笑)。でも、僕自身は一度も大杉さんのことを「怖い」と思ったことがないし、グラウンド外で怒っているところを見たこともなかった。遠征先の宿舎でも何度も一緒になったけど、一度も怒ったことがなかったよ。

――大杉さんの思い出話はまだまだ尽きないですね。ぜひ、次回もお願いします。個人的には「ミスタースワローズ」としてチームの中心だった若松勉さんと、年齢もキャリアも上だった移籍組の大杉さんとの関係について、すごく知りたいです。

八重樫 あの2人の関係はとても良好でしたよ。それも、大杉さんの気遣いがあったからじゃないのかな? その辺りはまた次回、お話ししましょうか。

(第50回につづく)

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