140キロ超え4人にプロ注目の大型捕手。名将率いる県岐阜商は全国制覇なるか

  • 大友良行●文 text by Ohtomo Yoshiyuki
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 昨年に続き、春のセンバツ高校野球大会出場が濃厚な県岐阜商は、昨年の12月28日から1月5日までの8日間、三重県南部の熊野市でキャンプを張った。ここは雨が少なく、岐阜市内と比べると4〜5度ほど気温も暖かい。

 熊野灘を一望できる高台にある防災公園野球場(熊野スカイパーク)は両翼100m、中堅122mと広さも十分。さらに内野2つ分が入る室内練習場も隣接しており、野球に打ち込むには最高の環境である。鍛治舎巧監督は今回のキャンプについてこう語る。

「昨年は宮崎でキャンプをしましたが、そこまで遠くに行かなくても、熊野なら学校から片道3時間程度で行ける。30日の夜に雨が降ったけど、朝には止んで、1時間ほどでグラウンドは乾いた。1日も休まずに打ち込み、守備、体幹トレーニングなどを中心に8日間みっちり練習できました」

 キャンプ終了後、岐阜に緊急事態宣言が出される前にその成果について、次のように語っていた。

「100%仕上がりました。今回のキャンプは、一度チームをつくり上げることが目的です。今後、コロナ禍により練習を自粛しないといけないことがあるかもしれないし、降雪によりグラウンドが使えないこともある。一度チームをつくっておけば、練習自粛になっても焦らないだろうし、なんとか甲子園まで状態を維持していける。とくに今回は、投手陣が大きく成長しました。1日150球を目標に投げ込み、心身とも鍛えることができました」

 すでに140キロを記録している右の松野匠馬、大島成憧、左の野崎慎裕(3人とも2年)に加え、1年生右腕の小西彩翔も最速141キロをマーク。投手陣の充実ぶりが目立つ。

「みんな完投、連投ができる自信がついたようですし、とにかく成長しました。捕手の髙木翔斗(2年)も主将としてみんなを引っ張っているし、彼自身も力をつけてきて、バッテリーがしっかりしてきました」

 鍛治舎監督がチームの大黒柱と語る髙木は186センチ、88キロの大型捕手で、プロ注目の逸材である。小学6年生の時に中日ドラゴンズジュニアで12球団トーナメント優勝。中学は軟式クラブチームの岐阜フェニックスに所属し、鍛治舎監督を慕って県岐阜商に進学した。

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