プロ野球もったいない選手たち2021。
才能開花でレギュラー奪取なるか (2ページ目)
今シーズン入団8年目を迎えるDeNA関根大気 左翼には佐野恵太、右翼にはタイラー・オースティンと中軸候補が占め、バックアップ候補にはやはりレギュラー経験者の桑原将志が控える。昨年にもったいない選手として紹介した関根大気にとっては、苦しい状況が続いている。
昨季は右肩の故障明けながらファーム54試合で打率.301、5盗塁とまずまずの結果を残している。今季はプロ8年目と中堅の域に入るだけに、ハングリー精神旺盛なプレーを一軍の舞台で見たいものだ。
そんなDeNAの新たなもったいない外野手として紹介したいのが、若き大砲・細川成也である。
2016年ドラフト5位入団と下位指名ではあるものの、ドラフト前には上位指名候補に挙がるほど将来を嘱望された大器だった。入団1年目にはプロ初打席初本塁打を放ち、その翌日には高卒新人として史上初のデビュー戦から2試合連続本塁打という快挙を成し遂げている。
細川の打球はインパクトの音が違う。センターから右方向の打球もよく伸び、打った瞬間それとわかるアーチを打てるスラッガーは希少だ。過去4年間ではファームで実戦経験を積み、昨季は13本塁打、53打点、出塁率.448の好成績でイースタン・リーグ三冠王に輝いた。
歴史的に見ても、大砲の育成には時間がかかる。結果には目をつぶり、まとまった打席数を与える必要がある。ある程度、戦力が充実しているDeNAの状況は逆風に映るが、細川には首脳陣に「我慢してでも使いたい」と思わせるだけのアピールが必要になる。
我慢して起用されながら、殻を破れずにいるパターンもある。廣岡大志(ヤクルト)はその筆頭だ。
廣岡が入団して間もない時期、当時シニアディレクターだった小川淳司さん(現ゼネラルマネージャー)は、高卒ルーキーとは思えないほどキャンプで木製バットを振りこなす廣岡の素材ぶりを絶賛していた。池山隆寛、川端慎吾とチームの顔になった選手が入団時につけた背番号36を与えられたところからも、球団の期待のほどがうかがえる。
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