プロ野球もったいない選手たち2021。
才能開花でレギュラー奪取なるか (3ページ目)
だが、廣岡は期待に応えられない年が続いている。2019年には91試合に起用されて10本塁打を放ち、開花の兆しを見せた。だが、昨季は打席数が100以上も減り、打率も.215と伸び悩みの色は濃くなっている。
首脳陣からは廣岡の思考力や取り組みの甘さを指摘する声も聞こえてくる。とはいえ、ヤクルトという球団は見どころのある若手野手に積極的にポジションを与え、スターへと育ててきた土壌がある。今季こそ廣岡の豊かな才能が開花することを祈りたい。
パ・リーグに目を移すと、オコエ瑠偉(楽天)の存在感が際立つ。オフには石井一久監督が「そろそろ出てこないと、彼自身の野球人生が苦しくなってくる」と最後通牒ともとれるコメントを突きつけた。プロでの5年を終え、いよいよ剣が峰に立たされている状況だ。
だが、オコエの肉体に眠る可能性を考えれば、「もったいない」としか言いようがない。2015年の夏の甲子園、シングルヒットを二塁打に、二塁打を三塁打に変え、左中間の大飛球をつかみ捕ったダイナミックなプレーぶりが忘れられない。
プロでは苛烈な競争社会のなか、鬱屈とした日々を過ごしているだろう。だが、再び背中に羽根が生えているような、伸びやかなプレーを見せてくれることを祈りたい。
オコエと同期入団の平沢大河(ロッテ)も、停滞感が否めない元ドラフト1位選手だ。
2018年にはおもに外野手として112試合に起用されたが、レギュラー奪取には至らず。昨季は慢性的な右ヒジ痛を抱え、一軍出場はなし。ファームでも.142の低打率に喘ぎ、10月には右ヒジのクリーニング手術を受けた。
チーム内では安田尚憲、藤原恭大と近未来の主役候補が一軍でスタメン抜擢され、花を開かせつつある。平沢も高い打撃センスはまだまだ底を見せていないだけに、体調を整えて世代交代の潮流に乗りたいところだ。
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