広島・坂倉将吾が追求する実戦勘。
試合に出なくても成長したレアケース (3ページ目)
それでも今年の経験は、必ず財産になるはずだ。もちろん、それはほかの若手選手にとっても同じである。
新しい戦力はいいところばかりに目が留まる。だからこそ、最初は期待値しかないように映るものだ。だが、出場を重ねていくことで欠点が露呈されていく。それこそ、プロとしてまずは乗り越えなければいけない壁だ。
そこで出場機会を減らし、批判にさらされることもあるかもしれない。勝ちパターンに入っていた投手はポジションを奪われ二軍に降格し、しばらく1番で起用されていた大盛も三振の多さからベンチスタートとなることも増えてきた。
そういったサイクルを乗り越えた選手たちが、主力選手へと成長していくのだ。
若い選手にとって一軍での経験は大きな糧となる。ただ、プロ野球は年数を重ねたからといって出場が与えられる年功序列の世界ではない。ポジションは自らの手で勝ち取らなければならない。
この世界で生き抜くために求められるものは、ロマンでなくリアルだ。自身の現在地を理解し、明確な目標を定めて突き進むしかない。
坂倉のように次のステージに進む若手は誰か──。若鯉たちにとって、消化試合など1つもない。
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