「私が入っていいのか...」。DeNAが
NPB初の女性ATを採用。その意義と意味
「やるからにはNPB初となる女性トレーナーじゃないですけど、野球界でぜひ働きたいと思い、それを目標に勉強してきました」
笑顔に秘めた強い意志。現在アスレティックトレーナー(以下AT)として横浜DeNAベイスターズで選手たちのサポートをしている林優衣さんは、晴れやかな口調でそう語った。今年の2月末から球団で働く彼女は、文字どおりNPB初の女性ATとして日々奮闘している。
NPB初の女性アスレティックトレーナーとなった林優衣さん(※写真は3月撮影時のもの) これまで前例がなかったプロ野球チームの女性AT。この道を目指すきっかけを、次のように教えてくれた。
「幼い時から野球が好きで、中学生の時はソフトボール選手、高校生では選手を支える側としてマネージャーをしていました。その時、テーピングなど個人的にトレーナーとしての勉強をして、チームに貢献したかったというか......そこに後悔があったので、これを自分の仕事にしたいと強く思ったんです」
高校を卒業すると林ATはアメリカのネブラスカ州立大学カーニー校に留学し、トレーナーとしての勉学に心血を注いだ。大学卒業後、全米アスレティックトレーナーズ協会(NATA)公認の資格を取得すると同校大学院に院生として在学しながら、大学内の傷害専門クリニックでケガ人を治療したり、スポーツ現場でトレーナーとして働いていた。
そして昨年、先輩から北海道日本ハムファイターズがストレングス&コンディショニング(以下SC)のインターンを募集していると聞き、NPBで働きたいと思っていた彼女は迷わず応募することを決めた。それに採用されると夏にインターンとして1カ月ほど経験を積んだ。
「その間に他球団のトレーナーの様子を見てみたいと思い、ホームページの問い合わせフォームに履歴書と自己紹介を記載して送ったんです。1日見学させていただけないかと。するとDeNAさんからOKをいただき、見学することになりました」
自分の目標を明確に設定し、必要な勉強をし、チャンスがあれば積極的に動く。
「見学した日に、トレーナーを募集しているとお聞きして、あらためて応募したんです」
1 / 4