2020.09.26

なぜ神宮球場で呑むビールはうまいのか。
「売り子」あるあるとゲン担ぎの飲み方

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

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【特定の売り子さんからビールを買わない理由】

 野球観戦において、僕の手元にはいつもビールカップがある。北海道の札幌ドームから、福岡のヤフオクドーム(現PayPayドーム)まで、全国の球場でビールを呑んだけれど、「もっともおいしいビールは?」と尋ねられたら、何の迷いもなく「神宮のビール!」と答えるだろう。

入場制限が緩和されて観客が戻ってきた神宮球場 photo by Sankei Visual 花の都の真ん中の「東京・青山」という絶好のロケーションを誇る明治神宮野球場。球春到来を告げる春風の中での一杯。あるいは照りつける太陽の下での一杯。夏の夕暮れ、セミの声を聞きながら薄暮の中での一杯。完全に太陽が沈み、月夜に浮かぶ打ち上げ花火を満喫しながらの一杯。秋には神宮のイチョウ並木を眺めながらの一杯。まさに『日本全国酒飲み音頭』よろしく、いつ呑んでもうまいのが「神宮のビール」なのである。

 巨人ファン、中日ファンには、本拠地のドームとは違う「屋外球場」の魅力を堪能してほしいし、なかなかホーム球場に通えない関東在住の阪神ファン、広島ファンには都心の利便性を痛感してほしいし、「東横シリーズ」の同志であるDeNAファンには、横浜スタジアムとはまた違ったレフトからの光景を楽しんでほしい。

 個人的に、ビジターファンにおすすめなのが、レフトスタンドから一塁側内野席後方に見える東京タワー。ライト側に陣取るヤクルトファンには味わえない光景だ。

 神宮ではK社のビールばかり呑んでいる。「A社やS社のビールは嫌いだ」というわけではないけど、若い頃から呑み慣れた銘柄のビールをついつい選んでしまう。売り子のお姉さんは特に決めていない。K社のビールであれば、自分の呑みたいタイミングで近くにいる売り子さんに声をかけるのだ。