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ロッテが起こした応援革命。
王貞治が激怒した桜吹雪の演出秘話 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

応援団員当時のユニフォームを着た横山氏。太鼓には選手のサインが応援団員当時のユニフォームを着た横山氏。太鼓には選手のサインが――当時はJリーグが発足(1993年)したばかりですが、そこから得るものも大きかったですか?

「僕や当時の外野応援団も、Jリーグだけでなく、とにかくカッコいいものを取り入れようとしました。外野応援団の若い子は世界中をまわって、アイスホッケー、ヨーロッパのサッカー、メジャーリーグなどの応援を見て、すべて吸収して帰ってきた。それが、新しい応援スタイルの確立や、ファンの方が増えていく要因になりましたね。2002年にはロッテの応援団(千葉ロッテマリーンズを応援する人々)が、毎日新聞社が主催している『毎日スポーツ人賞』の『文化賞』をいただきました」

――ロッテの応援は一体感があり、ファンの熱も高いですね。1998年に18連敗した時は、大勢のファンがマリンスタジアムを取り巻いて声を上げていました。

「ファンが『俺たちの誇り』という歌をずっと歌っていたんです。『選手が出てくるまでそれを歌い続けるんだ』と、1時間以上も。当時の近藤昭仁監督や選手たちは暴動が起きていると勘違いして、それに巻き込まれるんじゃないかと心配していたので、『応援しているんですよ』と諭しました。いざ監督たちが外に出て行くと、ファンは拍手を送った。選手たちは期するものがあったんじゃないでしょうか」

―― 一体感を示す応援歌のひとつとして知られる「歓喜のテーマ」は、歌いながら肩を組むパフォーマンスが印象的です。

「ジン(ジントシオ:元ロッテの応援団員。現在は楽天の応援プロデューサー)がその歌を作った時に、『なんかしようぜ』という話をして出たのが、『学生野球っぽくしない?』というアイディア。僕は『だったら肩を組ませたら?』と発案しました。ファンがひとつになって応援しているのを選手に伝えるためには、それがいいかなと」

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