正捕手争い続く巨人。二軍調整中の
小林誠司が必要になる時が来る
今シーズンの巨人は、開幕直後に小林誠司が骨折により戦線離脱。以来、キャッチャーは大城卓三と炭谷銀仁朗がおもに務め、岸田行倫が第3捕手としてベンチ入りしている。ただ、小林も一軍復帰に向けて二軍で調整を続けており、巨人の正捕手争いは熾烈を極めることになる。はたして、正捕手は誰にすべきなのか。OBである西山秀二氏に聞いた。
一軍復帰に向けて調整を続けている巨人・小林誠司── 小林選手の離脱により、大城選手と炭谷選手がおもにマスクを被ってきました。もし小林選手が一軍復帰すれば、誰をメインで起用するのがいいと思いますか。
「チームの状態もいいですし、やっぱり "打てる捕手"ということで大城になってくると思います」
── 現在、大城選手は打率3割を超えています。
「セ・リーグはDH制がないため、投手も打席に入らなければいけません。投手はまだしも、キャッチャーも打てないとなると打線として機能しなくなる。とくに巨人は打ち勝つ野球をする攻撃型のチームです。長年、阿部慎之助(現・二軍監督)が正捕手を務めてきた影響もあると思うのですが、どうしても打てる捕手に目がいってしまう。そうなると、大城が適任ということになると思います」
── もし巨人が守り勝つ野球を目指しているチームならどうでしょうか。
「そうなると、打てる捕手というよりも守れる捕手を最優先していた可能性はあるでしょう。それこそ80年代の広島のように盤石の投手陣を擁し、1点を守り抜くチームであれば打てる捕手にこだわる必要はないと思います。
ただ、今の野球は打者の技術が飛躍的に上がり、下位打線でも簡単にホームランが出る時代です。長いシーズンを考えると、ある程度打率を残してくれる捕手のほうが点を取れる確率は高いですし、勝つチャンスも増えてきますからね」
── 西山さんにとっていい捕手の条件とは?
「一番は投手に信頼されるということだと思います。キャッチング、肩、ボールをうしろに逸らさない、リード......とにかく、ピッチャーが安心して投げられるかどうか。これは最低条件です。そのうえでバッティングがよければ言うことなしです」
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