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なぜDeNAの助っ人はハズレがないのか。
獲得で重視する「3つの基準」 (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 当時の編成のトップである高田繁ゼネラルマネージャーの来季へ向けた獲得選手のリクエストは、レギュラーのホセ・ロペスと宮﨑敏郎がケガをした場合のバックアップ(且つ、うまくいけば将来の主力となり得る補強)だった。つまりファーストとサードを守れる選手ということになり、それだったらソトしかないとロペス氏は太鼓判を押した。

 例年、夏場になると壁谷氏と進藤部長はアメリカへ飛び、ロペス氏とハンセル氏と合流し候補選手をチェックするのだが、この時は日程の都合上、ソトのことをあまり見ることができなかったという。

「ほかに優先すべき選手がおり、ソトは少しだけしかチェックできなかった。進藤さんも私も決め切れないというのが正直なところでした。ただ、ロペスは絶対に一軍の戦力になると。信頼している彼がここまで言うのならば間違いないと思いました」

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 そこで実現したのが日本での最終テストだった。

「ただ、このテストは異例でした。通常、3Aでバリバリやっている選手が日本にわざわざテストのために来ることなんてありえないことなんです。あまり期待せず代理人に提案すると、ソト本人は行きたいと。正直、驚きました。ソトとしてもメジャーの壁に当たっていたので、日本で成功したいという気持ちが大きかったんだと思います」

 ソトは、テストでDeNAの現役投手からホームランを放ち、持ち前のパワーと技術力を見せるなどそのパフォーマンスは申し分のないものだった。DeNAはあらためて獲得オファーを出した。

「ただ、あくまでもバックアップの想定でしたし、決していいオファーではありませんでした。それでも来てくれるのかと本人に確認すると『イエス』だと。話していても、とにかくここで成功したいというハングリー精神を強く感じました。ロペスが太鼓判を押していたので、ある程度はやってくれるとは思っていましたが、まさか2年連続してホームラン王を獲るとは考えてはいませんでしたね」

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