2020.08.19

なぜDeNAの助っ人はハズレがないのか。
獲得で重視する「3つの基準」

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

失敗しないDeNA外国人選手獲得戦略(前編)

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 ここ数年、横浜DeNAベイスターズが獲得する外国人選手の活躍が目立っている。今シーズンの陣容は、入団6年目のホセ・ロペスを筆頭に、リリーフ要員として欠かせないスペンサー・パットンとエドウィン・エスコバー、新加入の長距離砲のタイラー・オースティンと技巧派の先発投手マイケル・ピープルズ、そして2年連続ホームラン王のネフタリ・ソトの計6名。

一昨年、昨年と2年連続してセ・リーグ本塁打王に輝いたネフタリ・ソト 今シーズン、コロナ禍による過密日程の影響で外国人選手の一軍登録枠が「4→5」へ変則となったが、各選手、ケガや不調がありながらもチームに貢献しており、開幕当初、アレックス・ラミレス監督は誰をベンチ入りさせるか頭を悩ませたほどだ。

 DeNAの外国人獲得戦略を担う中心人物は、チーム戦略部部長の壁谷周介氏だ。DeNA初年となる2012年よりチームに参画している壁谷氏は、外国人獲得戦略以外にも、2017年にITを活用したデータ分析を担うリサーチ&デベロップメント(R&D)グループを立ち上げ、先進的なIT・データ活用施策に挑戦している。

「外国人選手は現状の戦力を鑑み、チームにとって必要なプレーヤーを限られた予算のなかで獲得することが求められます。まず重要となるのは国際担当スカウトの存在ですね」

 現在、DeNAの国際担当スカウトを務めるのは2名。広島やダイエー(現・ソフトバンク)でプレーし楽天二軍打撃コーチの経験もあるルイス・ロペス氏と、阪神の投手として3年間プレーし楽天の駐米スカウトを務めたグレッグ・ハンセル氏だ。

 ロペス氏は主にマイナーリーグである3Aのインターナショナルリーグ、ハンセル氏は同じく3Aのパシフィック・コーストリーグを担当しており、全米に情報網を張っている。言うまでもなく、ともに日本の野球事情をよく知る人物だ。

「彼らはかなりの数の選手を見ていますが、我々に推薦してくる数はかなり絞られています。希望するタイプの選手をリクエストすると、まず私の方に数十名の選手のリストが送られてきます。それを編成部長の進藤達哉さんとチェックして、その後、アメリカに渡って実際のプレーを見るのですが、その頃には候補選手は10人を切っています。アメリカ滞在は2、3週間なので、視察できる選手はどうしても限られてしまいます」