「実態が見えてこない」沖縄の新球団。
資金調達法や存在意義に迫る (2ページ目)
引退した選手が企業にスムーズに就職できたとしても、「"元スポーツ選手"という看板がビジネスの世界で活用できるのは数年だけ」と北川は続ける。営業トークとして肩書が役に立つ期間も長くは続かない。そういった点を考えれば、引退したスポーツ選手がより長く輝ける場は、やはり「競技に携わること」になる。
そこで北川は、引退した野球選手の"受け皿"となり得るチームを、スポーツビジネスとしての勝算がある沖縄に作ることにした。
沖縄には毎年、一部期間や離島も含めるとNPB9チームが春季キャンプで訪れる。また、高校野球も盛んで興南高校や沖縄尚学高校などの強豪校がひしめいており、甲子園で上位に食い込むことも珍しくない。プロ野球選手も多く輩出しており、春季キャンプ中の試合に沖縄出身選手が出場すると、ひときわ大きな拍手が起こる。それだけ、県民にとってプロ野球は身近な存在だ。
さらに近年は、J2のFC琉球が約5000人、Bリーグの琉球ゴールデンキングスが約3000人の平均観客動員数を記録するなど、興行としてのスポーツも根づいてきた。
球団経営に必要な資金源となるスポンサーは、北川のビジネスの経験を生かして獲得を進めている。北川は前職時代、スポンサーとして楽天イーグルスに協賛しており、企業側の考え方や立ち位置も把握する。実際に、全国展開する大手企業から、地元沖縄の建設工事会社や居酒屋まで、幅広い企業が琉球ブルーオーシャンズのスポンサーに入った。
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