「実態が見えてこない」沖縄の新球団。
資金調達法や存在意義に迫る (4ページ目)
一方で地元・沖縄の野球ファンからは、琉球ブルーオーシャンズについて「球団ができたあと、どうなったかは知らない」「実態が見えてこない」「NPB参入は現実的でない」といった厳しい意見も聞こえてくる。
今後はさらに踏み込んだ認知拡大と、地域との地道な関係構築が求められるだろう。発信面では、現時点で地元ケーブル局での全試合放送が決定されている。2月には地域との交流の一環として、春季キャンプ地・八重瀬町の祭りに参加した。清水直行監督も地域との交流を積極的に行なう姿勢を見せている。
また、新型コロナウイルスの影響で中止になったが、2月29日の巨人3軍とのオープニングゲームでは小学生で先着1000人を対象にTシャツを配布し、来場時に着用すれば主催全試合を観戦無料にする企画を発表していた。当面は、新型コロナウイルス終息後の1試合目の興行試合で多くの観客を集客し、沖縄県内で存在感を示すことができるかがポイントになりそうだ。
そのようにして球団が認知を高めても、言うまでもなくNPB参入への道のりは険しい。
今年1月、ソフトバンクの王貞治球団会長が16球団構想について前向きな発言をしたことは記憶に新しい。だが、野球協約に定められた参入要件やオーナー会議での承認など、参入までには高いハードルがいくつも存在する。北川も「その点は重々承知している」と話す。
「エクスパンション(球団拡張)の可否について、私が言えることはありません。決められたNPBのルールがあって、オーナー会議の決定に委ねられる以上、新規参入を目指す立場からそれに対して発言することは失礼に値すると思っているので。ただチャンスはあると思っています。
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