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走攻守でキラリ光るヤクルト塩見泰隆。
メンタル強化でレギュラー獲りへ (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

「100パーセント、ポジティブにできているかといえば、まだまだです(笑)。でも、凡退や三振をしても、以前と比べて気持ちの切り替えができていますし、守備や次の打席に引きずることはありません。去年はとにかくバッティングで結果を出さなければと......それが守備や走塁にも影響してしまった部分がありました。

 宮出(隆自)ヘッドコーチからも『野球は打撃だけじゃないぞ』と言われていますし、守りであれば守備範囲の広さだったり、出塁すれば盗塁もできるし、相手バッテリーにプレッシャーをかけることもできます。その試合でなにかひとつでもチームに貢献できればいいんだと考えられるようになりました」

 その言葉どおり、3月7日のロッテとのオープン戦では、本塁打に盗塁、センターから好返球による捕殺も記録。走攻守において、チームが求める"塩見像"を実現させた。

「去年はオープン戦で(2位の)打率を残せたことで『これならいけるでしょう』と軽い気持ちというか、どこか慢心があったのかなと......。今年はオフにメンタル面を強化してきましたし、オープン戦でも結果は残せました。そのことで気持ちの豊かさというか、今のところはいい状態です」

 冒頭の阪神戦の試合前練習で塩見は同期入団の村上宗隆と並んでフリー打撃を行なっていた。塩見が逆方向のスタンド中段に放り込めば、村上はバックスクリーンへ一直線。

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