スワローズ浮沈のキープレーヤー。大卒出身の実力派投手が着々と成長中 (6ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 オープン戦では2試合にリリーフとして登板し、2イニングを投げて6奪三振、無失点のピッチングを披露。"ドラ1投手"の実力を発揮しはじめている。

 浦添キャンプのブルペンでは、連日、新任の斎藤隆ピッチングコーチのかけ声が響きわたっていた。

「ナイスボール! でも、それ以上は求めなくていいよ。ボトムを上げていこう」

 最高のボールを投げ込み、充実感あふれた表情の投手たちに、そう声をかける光景を何度も見た。斎藤コーチは「みんなすごくいいボールを持っているんですよ」と話し、「ボトムを上げていく」の意味についても説明してくれた。

「その投手のいいボールを10とした時、4とか5のボールもあるんです。10ばかりを求めると、どうしても力みが発生してしまいます。そうなるとタイミングが合わなかったりして、4とか5のボールになってしまう。だから、常に8や9を投げられるようにしようと。そのために、体の感覚をしっかり覚え、再現性を自分のものにしようということです。新人選手はプロの実戦で投げていないのでまた別なのですが、そういったことが必要なピッチャーに何を伝えればいいのか。それを日々考えています」

 今回取材をした5人の大卒投手をはじめ、今シーズンのヤクルト投手陣は必ずや結果を出してくれるはずだ。

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る