2020.03.06

スワローズ浮沈のキープレーヤー。
大卒出身の実力派投手が着々と成長中

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 今シーズンのヤクルト投手陣は、誰もがキープレーヤーである。なかでも、3人の大卒ルーキーは"即戦力"としての期待が大きく、チームの浮沈を握っているといっても過言ではない。

今季、プロ初勝利を目指す2年目のヤクルト・清水昇 吉田大喜(ドラフト2位)は、日体大の4年春にリーグトップの防御率をマークし、侍ジャパンの大学代表にも選出された逸材だ。新人合同自主トレ時に「再現性とコントロール、真っすぐの質とキレをアピールしていければ」と話していたが、キャンプ終盤で「体のきつさもあり、あまりアピールできていません。これからですね」と言った。

「大学の時は、3月後半ぐらいから徐々に仕上がってきたので、そこに合わせながらアピールするという感じで......。新人なのでそこが難しいところですが、焦らずにやっています」

 事実、チーム関係者が「僕が見てきたなかで、キャンプ初日にブルペンに入らなかった新人は初めてだと思います」と語ったように、自分のペースを崩さないという意識は強く伝わってきた。そのことを吉田に話すと、こんな答えが返ってきた。

「(初日のブルペンについて)やっぱりそうでしたか。僕も『空気が読めなかったかな』と思ったんです(笑)。でも、開幕直後に活躍することも大事ですけど、年間を通して結果を出すことがプロだと思っています。無理をせず、徐々に状態を上げていければと」

 吉田は2月22日の広島とのオープン戦で初登板。2イニングを打者6人できっちりと抑えた。後日、話を聞くと「少しはアピールすることができたと思います」と、笑顔を見せた。

「試合のほうがブルペンよりもいいボールを投げられるというか、自分では実戦派だと思っています。試合をつくれることが持ち味でもあるので、今後もそこをアピールしていきたい。そのためには真っすぐの球威がまだ足りていませんし、細かいコントロールも仕上げていきたいです」