2020.03.11

牧田和久、MLB仕様からの脱却。
「打たれたらしょうがない」の達観思考

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Koike Yoshihiro

 国際大会で侍ジャパン投手陣にアンダースローがいると、必ず脚光を浴びる。サブマリンと呼ばれる投球フォームが、現代野球で"希少種"であること。なにより、彼らは大舞台で結果を残す。昨年のプレミア12でも、ソフトバンクの高橋礼が3試合に登板し2勝、防御率1.50と安定感を示した。

「とくに短期決戦の場合は、ハマったら強いんじゃないですかね。(アンダースローは)あまりいないので、相手からすれば攻略法がなかなかないというか、対応が難しいんじゃないですか? 自分は、そこまで意識していなかったですけど......」

3年ぶりに日本球界に復帰した牧田和久 今季から楽天でプレーする牧田和久は、アンダースローの利点についてそう語る。

 自身も2013年と17年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場し、第1回プレミア12でも日の丸を背負った。合計10試合に登板して防御率1.75。サブマリンは、侍ジャパンのピースとしてハマった。

 牧田は「世界」を知る男だ。

 侍ジャパンの経験はもちろんだが、2018年にはサンディエゴ・パドレスへ移籍した。27試合に投げ、防御率5.40。2年目のシーズンは3Aと2Aのみの登板で、合計43試合で防御率3.33と、世界の最高峰で研鑽を積んだ一方で、マイナー生活という厳しい競争社会にも身を投じ、揉まれた。

 その牧田が新天地に楽天を選んだのは、「ずっと評価をしてくれたから」だった。昨年初めに楽天からのオファーを一度は断ったが、マイナーリーグにいても自分の力を必要としてくれていた----その熱意が、牧田を新たな挑戦へと突き動かしたのである。